道産米50万トン超に増産へ 農家は「対応は難しい」価格は史上最高値を更新 安定供給に向け
2025年の道産米が、当初の目標からさらに増産されることになりました。
コメの価格の高止まりや政府備蓄米の買い戻しへの対応ですが、すでに田植えの準備が始まっている生産者からは「対応は難しい」との声も聞かれました。
空知の由仁町で6代続くコメ農家・賀集達矢さんです。
すでに2025年のコメの作付け量は決まっていて、田植えに向けて準備を進めていました。
そのさなかでの道産米の増産決定に思いは複雑です。
(コメ農家 賀集達矢さん)「ことしの作付けはもう皆さん決まっていると思うので、正直なところ対応できる農家さんは少ないと思います」
4月21日に発表された全国のスーパーでのコメ5キロあたりの平均価格は4217円。
前の週からは3円高く15週連続の値上がりで、史上最高値を更新しています。
こうした状況などをうけ、北海道農業再生協議会の水田部会は22日に札幌で会合を開きました。
2025年の道産米の生産について、当初の目標値よりもさらに3.4%引き上げ、51万4141トンに見直すことを決めました。
(道農政部 花岡弘毅生産振興局長)「当初の目安には備蓄米のことは想定されていなかったということもありまして、安定供給に支障が生じかねないということがあって今回、目安の追加設定をさせていただいた」
3月から流通が始まった政府備蓄米。
備蓄米は1年以内に政府が買い戻すのがルールになっています。
備蓄米の放出などをふまえ、道産米の生産量は4年ぶりに50万トンを超える目標設定となりました。
(コメ農家 賀集達矢さん)「コメの消費が減っていって、コメを作らないで転作をしていった部分があるので、いままでの労力が戻せるかというとちょっと難しいところもある」
北海道農業再生協議会の水田部会は、政府備蓄米の買い戻しによるコメ不足を回避し、道産米の安定供給をはかっていきたいとしています。