制動距離は84.1メートル 凍結路面でスリップ事故多発「車間距離は乾燥路面の2倍以上を」
北海道内では12月に入り、スリップが原因とみられる車の死亡事故が相次いでいます。
冬の車の事故やトラブルを防ぐにはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。
18日朝は氷点下6.8℃まで冷え込んだ旭川市。
路面状況を見てみると・・・
(林記者)「路面はツルツルです。皆さんゆっくりと運転しています。ブレーキもやさしくかけています」
冬の車のトラブルで最も注意が必要なのが、凍結路面でのスリップです。
道内では今シーズンすでに7人がスリップが原因の事故で死亡しています。
これはJAFの実験映像です。
新品のスタッドレスタイヤで、スケートリンクのようなツルツル路面を時速40キロで走行してみると…
ブレーキをかけてから完全に停止するまでの距離は78.5メートルでした。
違う路面状況で急ブレーキをかけると、停止するまでの制動距離は84.1メートルに延び、ウエット路面よりも73メートル長くなりました。
では冬に車を使う際、どのようなことに注意したら良いのでしょうか。
JAF認定のセーフティアドバイザーに聞きました。
(JAF札幌支部 安藤純一交通環境係長)「タイヤを見ていただくと、このように矢印が90度おきに4か所あるんですけれども、この矢印を辿っていくと、ちょっとぼこっとしている溝の間に、ここまでが冬タイヤとして使える溝の深さですよということですので」
まずは、タイヤの溝の間にあるゴムの高さが溝の深さを越えていないか確認することがポイントです。
また、タイヤの空気圧を確認することも重要だといいます。
(JAF札幌支部 安藤純一交通環境係長)「適正な空気圧というのは車ごとに決められていまして。ドアを開けていただいたこのあたりにシールで張られていることが多いです。(空気圧が)高すぎても低くてもタイヤの本来の性能を発揮できないことになりますので、必ず適正な空気圧でお使いいただきたい」
さらに、冬はバッテリーが上がり、エンジンがかからなくなるため、JAFでは定期的な点検を呼びかけています。
(警察官)「スリップ事故防止を呼びかけておりましたので、どうぞスピードを落として安全運転でお願いいたします」
道警は先日、中山峠の道の駅でドライバーにチラシを配るなどして警戒を呼びかけました。
(運転手)「スリップして横転している車を見かけて、それを見て気をつけないとなと改めて思いました」
(札幌・南警察署 山谷成希交通第一課長)「車間距離は乾燥路面の2倍以上とるようにしてください。また、急加速・急ハンドル・急ブレーキ、急のつく運転操作は控えて、カーブの手前では十分、減速するなど交通事故に十分注意した安全運転を徹底していただきたいと思います」
冬に車の事故を防ぐためには安全運転の徹底とともに、タイヤやバッテリーなどが劣化しているおそれがあるため日常的な点検も必要です。