【敬老の日】69歳!86歳!71歳!79歳!生き生き働くシニア ここに人手不足解消の“商機”あり
65歳を超えてもいきいきと働く人が増えています。
ここに人手不足解消の商機を見出す動きもありますが、一方で北海道のシニアの働き手の割合は全国平均を下回っています。
なぜなのでしょうか。
イマドキの「シニアが働く現場」をひも解きます。
シェフは86歳!いまなお現役で厨房に立てる原動力は…
札幌市東区の人気レストラン「ユっぴー」。
連日この味を求めて多くの来店客が…
(来店客)「エビフライを食べたくて来たんですけど、全部おいしくて。ハンバーグも」
(記者)「作っているシェフは86歳」
(来店客)「え!すごい!」
オーナーシェフの矢田幸蔵さん。
(矢田幸蔵さん)「6キロくらいある」
5人前のピラフを作るにも、86歳を感じさせない華麗なフライパン捌き!
(矢田幸蔵さん)「おいしいものを作りたい。自分が食べたいと思うものを。笑いながらだといい仕事ができる。けんかしながらだとおいしくない」
矢田さんの原点は札幌グランドホテル。
60年以上の料理人人生の中で、スイスやイギリスの5つ星ホテルで修業を積み、あのエリザベス女王に料理を出したことも!
(矢田幸蔵さん)「調理場は大体フランス語ですよ。全然わからなくて。本当になんでこんなところに来たのかと思うぐらい大変でした」
当時のノートに刻まれた「負けないぞ」の文字。
この根性が、86歳のいまなお現役で厨房に立てる原動力です。
(矢田幸蔵さん)「シチューあがります!あつい!はいどうぞ。普通は牛乳だけどうちは違う。牛乳を使っていない。もっとランクが上」
いま店では娘の幸子さん夫婦が技術を受け継ぎ、親子で味を守っています。
(矢田幸蔵さん)「いつでもいけるよ」
(娘・幸子さん)「じゃあオムカレーお願いします」
(矢田幸蔵さん)「OK」
(娘・幸子さん)「待って!待って!待ってください!」
(記者)「2人は仲がいいんですか?」
(娘・幸子さん)「仲悪いです!」
(矢田幸蔵さん)「けんかばっかり!」
(矢田幸蔵さん)「食べ物を提供するのは本当に大変。自分の健康管理もしっかりしなきゃいけないし。二日酔いもできないし。子どもたちに喜んでもらえるような、いい仕事を残して、グッドバイしたいです」
10人のシニアが働くチェーン店 若者と接して「元気が出る」
おや?こちらはおなじみのハンバーガーチェーン店ですが…
2年ほど前からここで働いている柴田厚子さんは71歳。
(柴田厚子さん)「ご来店ありがとうございます」
(来店客)「皆さんやっぱりお子さんの接し方とか慣れてらっしゃるので、安心感が違うのでいいなと」
この店では10人のシニアが働いています。
西尾淳子さんは69歳。
飲食店で働くのはここが初めてだと言いますがー
(記者)「トレイを拭いている時もいろいろ目配りしているんですね」
(西尾淳子さん)「そうですね、常に。お客さんが下げるのを見かけたら…お下げいたしますよ、ありがとうございます」
楽しみのひとつが休憩時間です。
(柴田厚子さん)「元気でますよね。普段は若い方と接することがないから」
(西尾淳子さん)「高校生が来るじゃない?バッグにいっぱいつけているよね。ぷくぷくシール帳とかこんな厚いの持ってくるよね」
若い世代との関わりが持てることも、仕事を続ける大きな理由です。
(西尾淳子さん)「これから仕事だとなると着替えてオンになりますし、そういうところが自分の中で大事」
3人に1人が65歳以上の北海道。
道内で仕事をしている高齢者の割合は22.6%にとどまります。
これは全国ワースト5位。
シニアが働きたくても働けない北海道ならではの現状を専門家は指摘します。
(北星学園大学社会福祉学科 畑亮輔教授)「移動手段が限られるので、車が手放せない。社会参加したくても、移動の課題を抱えることで自分が希望する社会参加が十分に果たしていけないところもある。やはり雇用する側と働く側のマッチング。そのマッチングの上でそこに実際働きに行けるという移動手段も含めて条件が整っていくことが必要」
働き手は「シニア」限定 人生経験が“隠し味”の店
そこで、「働きたいシニア」に「働く場所」を提供しようという企業も出てきました。
その名も「ジーバーFOOD」。
働き手は60歳以上のシニア限定です。
飲食業界で働いていた人はほぼいないと言いますが…
(記者)「すごい包丁さばきですね」
(みっちゃん)「恥ずかしい。食べるのが好きなんです。ただそれだけです」
ここで働くシニアも、仕事が生活に張り合いをもたらしています。
(すっちゃん)「ただぼーっとしているよりも、きょうはこのためにきちんと準備して、行ってみんなとお話できるし、食べておいしかったよっていう笑顔も見られるかなって思って、楽しくなりました」
豚汁とおにぎりのセット。
これまでの人生経験が“隠し味”の店の看板メニューです。
(常連客)「なんか元気いいんですよね皆さん。だから私も元気もらう感じだし、来られる時はここに来ています」
ジーバーFOODの運営会社は、シニアの労働力に大きな商機を見出しています。
(はらぺこ 久保亮さん)「高齢化社会でシニアの皆さんの力というのは絶対に必要だと思うんですよね。シニアの皆さんが先頭に立って活躍していけるような場というのが、札幌や北海道、そして全国にも広がっていってほしいと考えています」
シニアの「やりがい」「生きがい」創出が、人手不足などの社会問題や少子高齢化の課題解決のカギとなりそうです。
