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“約束と違う”住民反発 老朽化で再整備「里塚斎場」地下鉄延伸条件に建設容認の過去 札幌市

札幌市は火葬場の里塚斎場について、建物の老朽化などを理由に再整備する計画です。

しかし、住民からは新たな候補地について反対の声が上がっています。

そのワケとは。

(札幌市保健福祉局ウェルネス推進部 吉井彰規部長)「老朽化の進んだ施設で、増え続ける火葬需要に対応することは将来的に困難になることが予想されます。里塚斎場の再整備が喫緊の課題となっている」

11月24日、札幌市清田区の会館で開かれたのは、里塚斎場の再整備計画についての住民説明会です。

1984年に運用が始まった里塚斎場は、40年以上火葬場として使われてきました。

老朽化に加え、今後高齢化が進み火葬件数の増加が見込まれるため、市は再整備することを決めました。

2035年度に稼働させたい考えです。

(阿部記者)「里塚斎場の再整備ではいくつかの候補地が挙げられ、霊園内の広場が最適だと市は話します」

候補地は3つです。

現在の場所では増築も含め検討することになります。

新たに建て替える場合は周辺の3か所のいずれか、または霊園内の円形の広場が挙げられました。

その中でも広場は平坦な土地のため災害のリスクが低く、工事中でもいまの斎場を利用する人の影響が少ないことから、札幌市側が有力視しています。

しかし、住民説明会では反対の声が相次ぎました。

(地域住民)「最も近い住宅から斎場が150メートルくらいになる。近隣住民を無視している、考えていない。検討時点でそういう感じを受ける」

(地域住民)「里塚斎場ができるとき、私たちは反対しました。市からみなさんの意見を取り入れて地下鉄をいれます、そのかわりに斎場をつくっていいですねということで私たちはOKしたんですよ」

(地域住民)「お墓の近くまで住宅ができているので、そこにわざわざ出てくるのは一体どういう考えなのか」

里塚斎場を建設する際、清田区の町内会からは道路の整備や地下鉄東豊線の延伸などについて要望書が提出されました。

住民はこれらを交換条件に建設を容認しましたが、地下鉄延伸については未だ実現に至っていません。

(札幌市保健福祉局ウェルネス推進部 藤田賢一課長)「これから少子高齢化が進んで亡くなる方が増える多死社会を迎える。火葬件数がどんどん増えてくる。いただいた意見についていろいろ検討して、極力地域の方の理解をいただきながら進めていきたい」

市は今後も住民説明会を開き、2026年度から土地の調査などを開始する予定です。

11/25(火) 16:39

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