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船も出動!恵山が噴火した想定で訓練 「地域住民の気づき」が火山防災の重要なカギ 北海道

北海道・道南の活火山「恵山」が噴火した想定の防災訓練が2025年11月18日、函館市で行われました。

道内には、活発な活動が続く火山もあるなか、甚大な被害を防ぐためには何が必要になるのでしょうか。

18日、函館市の恵山中学校には、続々と住民の姿が。

「車ですね、ありがとうございます」

受付を済ませた住民が、体育館に集まりました。

(参加者)「近くに火山がありますからね。いざというときに。すぐ逃げられるように」

(参加者)「とてもいいことだと思いますよ。歳いってるから」

行われていたのは、恵山の噴火を想定した防災訓練です。

関係機関に加え、小中学生や近隣住民など、およそ200人が参加しました。

函館の東側にそびえる恵山は、1800年代に2度噴火。

現在、目立った火山活動はありませんが、気象庁が24時間体制で監視している火山のひとつです。

この訓練は、非常に実践的です。

港で行われていたのは、孤立地域が発生したことを想定した海上輸送訓練。

さらに、避難所で使われる段ボールベッドなども実際に体験しました。

(参加者)「仮眠程度だなこれは。ストレスはあると思うけど。ないよりはあったほうがいい。個人的にプライバシーも守られるし、良いんじゃないかな」

(参加者)「素早く行動して、みんなで逃げられるように気をつけたい」

道内には活発な活動が続く、火山もあります。

釧路市と足寄町にまたがる、雌阿寒岳です。

2025年9月にごく小規模な噴火があり、噴火警戒レベルは「2」に引き上げられました。

また2000年には、有珠山が噴火。

(北海道大学・岡田弘さん)「もう噴火してもおかしくない状態まで破壊が進んできている」

当時、北大の岡田弘教授の事前の予測によって住民が避難し、“犠牲者ゼロ”の噴火となりました。

今後も甚大な火山被害を防ぐためには、観測を続ける専門家との連携だけでなく、住民が噴気の変化などに日頃から気づくことも不可欠だと専門家は指摘しています。

(北大・大学院理学研究院 中川光弘特任教授)「研究者や気象庁の監視をしている人間は、小さい変化には気が付かない。逆に、住民の方は、毎日山を見ている場合が多いと思うので、なにか(山の)表面現象に異常があるか住民の方は注意を払っていただきたい。そういうことに気が付いた場合には、躊躇せずに自治体や、気象台に情報を伝えていただきたい」

切っても切り離せない北海道と火山。

住民一人ひとりの「日々の気づき」が、減災の鍵を握ります。

11/18(火) 21:06

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