土地売却の和解案「5億円という金額を報道で知った」ニセコ町の水源地問題 町民からも不安の声
水源地周辺の所有権をめぐり、北海道ニセコ町と土地の元所有者が争っている裁判で、町長は9月24日、町民への情報共有が不十分だったと陳謝しました。
現在も和解協議が続いていますが、町民からは不安の声が広がっています。
24日午前、ニセコ町議会ではあの問題について質問が飛び交いました。
(斉藤うめ子町議)「水道水源の裁判の経緯を町民に丁寧に説明し」
(高木直良町議)「説明責任を果たせたかどうか疑問を抱いている」
水源地周辺の所有権をめぐり、ニセコ町と土地の元所有者が争っている裁判についてです。
片山町長は、これまで裁判の状況や町の対応について、町民への説明が不十分だったと陳謝しました。
(片山健也町長)「住民への周知が足りなかったことはお詫びを申し上げたい」
羊蹄山の麓に位置する水源地周辺の所有権は、ニセコ町が2013年に取得しましたが、元の所有者から「無断で売買が行われた」と訴えられ、一審で町が敗訴。
現在、控訴審では元の所有者からおよそ5億円で土地を売却するという和解案が提示されています。
また、関係者によりますと、町側は数千万円で買い取る和解案を検討しているということですが、協議は平行線をたどっています。
(高木直良町議)「和解勧告がすでにA社から5億円という金額も提示されていたと、これは報道でわかりました。町民も不安になったと思う」
(片山健也町長)「一番私たちが気にしているのが、裁判官の心証です」
(高木直良町議)「和解に臨むのか、最高裁まで争っていくのか」
(片山健也町長)「粛々と裁判の判決も含めてまだ継続するといまのところ聞いているので」
ニセコ町の水は守られるのかー
十分な説明がない町民からは不安の声が広がっています。
(コメ農家)「コメ作りにとって水はすごく大事です。こうやってもめてくると時間がかかるし、町民の負担も大きくなる」
(議会を傍聴した人)「町民に不安を与えないように、いまはこういう状態なのでと定期的に情報を伝えてほしい」
現在は札幌高裁が和解案を検討していますが、9月の町長選で初当選した田中健人さんは、あらゆる選択肢を議論していくべきだと述べました。
(町長選で初当選 田中健人氏)「和解ができるものなのか別の争点があるのか。どういう守り方があるのかについては広い選択肢で議論するべきかなと思っている」
10月に和解協議の場が予定されていますが、町民の不安を払しょくすることができるのか注目されます。