泊原発の再稼働で値下げ示唆 具体的な金額の明言避ける 3号機は夏にも正式合格の見通し 北電
今後の電気料金はどうなるのでしょうか。
この夏にも新規制基準の正式合格が見込まれる泊原発3号機について、北海道電力は再稼働した場合の電気料金の水準を年内にも示すと明らかにしました。
(市民団体)「泊原発の再稼働、反対」
市民団体が会場前で原発反対を訴える中、北電の株主総会には株主178人が参加しました。
中でも質問や意見が相次いだのが―
(株主)「泊原発の廃炉手続きを一刻も早く開始し、原子力事業からの撤退を決断すべきです」
(株主)「本会社は泊原発がどれだけ危険なものか自覚があるのでしょうか」
北電が再稼働を目指す泊原発についてです。
(原子力規制委員会 山中伸介委員長)「審査の結果の案を取りまとめることを決定してよろしいですか」
(規制委員会委員)「決定してよいと考えます」
泊原発を巡っては2025年4月、原子力規制委員会が3号機について、事実上の合格にあたる審査書案を了承。
夏にも正式に合格する見通しです。
北電は核燃料の輸送船が使う新たな港を原発から北におよそ1キロ離れた渋井地区に建設する予定で、今週、現地で住民説明会を開きました。
2027年の再稼働を目指して「地ならし」を着々と進めています。
再稼働が実現した場合に気になるのは…電気料金です。
標準的な一般家庭の1か月あたりの電気料金は北電が1万685円。
一番安い関西電力と比べるとおよそ2800円高く、大手電力会社10社の中で最も高くなっています。
株主総会後に会見を開いた北電はー
(斎藤晋社長)「ある程度の金額幅を持ったなかで合理的に経営ができるように。合格後以降にはなるだろうけどできるだけ早く皆さんの適正料金にしていきたい」
泊原発を再稼働した場合の値下げを示唆しましたが、具体的な金額については明言を避けました。
どの程度の値下げが見込まれるのでしょうか。
関西電力では2017年までに高浜原発3・4号機を再稼働させた後、家庭用プランで1か月あたり189円値下げ。
大飯原発3・4号機が2018年に再稼働した際はさらに242円下がりました。
北電の株主は期待と不安が交錯しているようです。
(記者)「どのくらい下がってほしい?」
(株主)「細かく見ているわけではないのであまりよく分からないですけど、10%くらいですかね」
(株主)「自然環境を考えてこれだけメンテナンスをやっていく状況からしますと、なかなか値下げは難しいんじゃないかと個人的には思いますけど」
北電は再稼働した後の電気料金の値下げ幅について、年内にも水準を示すことにしています。