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コメ仕入れにも“作況指数” 参考にしていた専門店「実態に合う算出の仕方に改めれば…」今後の対応は

北海道内でも備蓄米の販売が始まり、およそ1週間が経過しました。

依然、銘柄米の高止まりが続く中、小泉農水相は6月16日、コメの作況指数の公表を廃止することを明らかにしました。

将来に向けて道内でもコメの安定的な生産につながるのでしょうか。

(山岡記者)「札幌市のスーパーです。コメの価格を見てみますと、銘柄米で1番安いものは3974円で販売されています」

札幌市北区のスーパーです。

店頭には様々な種類の銘柄米が並んでいて、店頭価格は5キロで4000円前後。

買い物客も金額を少し気にしていました。

(買い物客)「自分としては2000円台になってほしい。もうちょっともう1つ頑張ってほしい」

農林水産省の発表によると、6月2日から8日までのコメの平均価格は4176円。

3週連続の値下げとなりしましたが、依然、高止まりが続いています。

道内でも備蓄米が流通しておよそ1週間が経過しましたが、こちらのスーパーでは安い備蓄米を入荷できていないこともあり、コメの値段が下がっている実感はないといいます。

(クーリッチ拓北店 高西邦明さん)「随意契約のコメが入ってきたときに下がっている感覚にはなるのかもしれないが、現在はその感覚はない」

令和の米騒動はいかにコメを安定的に流通させるかという課題が浮き彫りとなりました。

そんな中、小泉農水相は16日。

(小泉農水相)「毎年のコメの出来不出来を示す指標として、約70年前から毎年秋に実施してきたコメの作況指数の公表を廃止することにいたしました」

コメの生産量を正確に把握するため、「作況指数」の公表を廃止することを明らかにしました。

「作況指数」はこれまで、その年のコメの収穫量と過去30年のデータを比較して、豊作や不作などを判断する指標として使われてきました。

しかし、気候変動の影響などで過去との比較が難しくなったり、生産者の実感とずれがあるため、廃止するということです。

今後は「コメのでき」について、前年と対比する形に変更するということですが、生産者からは不安の声が聞かれました。

(コメ農家 長谷浩幸さん)「作況指数が無くなると農家自身も何を目標に向かっていけばいいのか、道しるべが無くなる感じで困った状況が起きるのではないかと危惧している」

こう話すのは、空知の妹背牛町でコメ農家を営む長谷さんです。

「作況指数」は農家にとって、次の年にどのくらいのコメを植え付けるか考えるにあたって必要な指標の1つ。

およそ70年続いた「作況指数」が無くなると、生産現場が混乱する恐れがあるといいます。

(コメ農家 長谷浩幸さん)「現場としてかなり混乱が起きるのではないか。(廃止するのなら)市場としてどれだけのコメがいま存在しているのか、正確の数字が情報として我々はほしいです」

コメを販売する専門店では、「作況指数」を参考にコメの仕入れをしていました。

より正確な生産量を把握できる調査が必要と訴えます。

(こめしん 徳山大介社長)「現場ではそんなにとれていないはずだという声も多い。実態とは結構かいりがあった。なぜ(実態を)反映できていなかったのか、その要因を突き止めて実態に合うような算出の仕方に改めるでもよかった」

一方、小泉農水相は17日、コメの在庫量などを把握するための調査を、卸業者だけでなくスーパーといった小売業者や外食業者などにも広げる考えを示しました。

生産量を正確に把握して、将来的にコメの価格を安定させることができるのか。

今後の国の対応に道内からも注目が集まっています。

06/18(水) 08:23

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