クマに襲われ男性死亡 その後も目撃相次ぎ警戒続く 北海道・福島町
道南・福島町の住宅街でおととい、新聞配達員の52歳の男性がクマに襲われ死亡しました。
警察などが24時間体制で警戒を続けていますが、クマは捕獲されていません。
(吉岡記者)「午前3時半。警察による24時間体制でのパトロールが続けられています」
道南の福島町。警察や消防が夜を徹して警戒を続けていた理由…それは―。
クマによる人への被害が起きたからです。
(東海林記者)「こちらの住宅の敷地内、そしてすぐそばには男性がひきずられたとみられるあとがはっきりと残っています」
おととい午前3時ごろ、福島町三岳の住宅街で佐藤研樹さん・52歳がクマに襲われ死亡しました。
佐藤さんは北海道新聞の配達員で、新聞配達中に被害にあいました。
(通報者)「うわーと叫び声が聞こえて、窓を見たらクマが人を引きずって振り回していて、そのまま茂みに入っていってという感じ」
佐藤さんは襲われた場所から30メートルほど離れた藪の中までひきずられました。
全身にはひっかかれた傷や腹部を中心にかまれた跡があったということです。
(佐藤さんを知る人)「本当に気の優しいおとなしくて真面目な人だった」
佐藤さんを襲ったクマは体長1・5メートルほどとみられています。
しかし、発見には至っていません。
(福島町 鳴海清春町長)「まずは探し出して駆除するということに力を入れる」
(吉岡記者)「男性がクマに襲われる2日前、現場から400メートルほど離れたこの場所でもクマの目撃情報が相次いでいました」
今月10日に町内で撮影された映像です。
住宅街の草むらを走り抜けていく様子が確認できます。
さらに、きのう午前5時ごろには佐藤さんが襲われた場所から4キロほど離れた福島町館崎で、体長2メートルほどとみられるクマが目撃されました。
(目撃者)「車で来たら(クマが)のそのそこっちのほうに入っていった」
道はおとといから1か月間、制度ができてから初めてとなる〝ヒグマ警報〟を福島町内全域に発出しています。
厳戒態勢の中、きのう夜には…。
(吉岡記者)「ハンターが山の斜面を照らして、クマを探しているんでしょうか。非常に緊迫した空気が流れています」
きのう午後9時すぎ、パトロール中の警察官が福島中学校付近で歩いているクマを発見しました。
クマは体長1.5メートルほどとみられ山の方へ姿を消したということです。
福島町では24時間体制で警戒を続けています。