保護者や教師の負担を軽減 「運動会」も時短の時代に お弁当や花形競技もなし 変化する学校行事
札幌では5月31日、144の小学校で運動会が予定されています。
かつては祭りのような一大行事でもあった運動会ですが、大きな音を出さないようにしたり、午前中で終了するなど、いま変わりつつあるようです。
(小学生)「ことしも紅組が優勝するぞ!お~!!」
(小学生)「ことしこそ白組勝つぞ!お~!!」
札幌市東区の小中一貫校です。
31日の運動会を前に、およそ100人の子どもたちが元気いっぱい練習に励んでいました。
(小学生)「100メートル走で1位をとりたいです」
(小学生)「自分たちが勝つと思って気合と根性でやっていきたい」
札幌では31日、144の小学校で運動会が予定されていますが、ここ数年で変わりつつあります。
スタートの合図で使われるのが、火薬を破裂させる大きな音のピストルですが…
(福移学園 高橋健一副校長)「短距離走ではこのような電子ピストルを使ったスタートをしています」
この学校では2023年から、徒競走などの競技で音量を抑えた電子音のピストルを使用しています。
背景にあるのが、大きな音が苦手な子どもへの配慮です。
(福移学園 高橋健一副校長)「大きな音で驚いてしまって一歩が遅れてしまうことなどを極力減らしてあげようということで使っています」
一方で、かつての運動会といえば、朝の場所取りに始まり…
お昼の楽しみが豪華なお弁当!
白熱する騎馬戦や組体操は運動会の花形競技でした。
しかし、この学校ではコロナ禍をきっかけに3年前から午前で終了し、弁当はなし。
事故やけがを防ぐため、組体操などの危険を伴う競技もありません。
(福移学園 高橋健一副校長)「騎馬戦や組体操はみんなで一つのものを作り上げていくところに価値があるが、よさこいや踊りはみんなが同じ踊りをして一体感をつくっていく。みんなでつくっていくというところは変わっていない」
専門家は、世の中で働き方改革が進むなか、こうした変化は全国で広がっているといいます。
(石川教育研究所 石川幸夫代表)「保護者や現場の先生の負担を軽減するために、時短の運動会に変化してきている。子どもたちの安全性が叫ばれている。組体操による事故やけがはそれなりにあるので、ほぼなくなっている」
かつては一日がかりの一大イベントだった運動会。
子どもだけでなく保護者や教員の負担を減らすため、運動会の在り方も時代にあわせて変わりつつあります。