通夜や告別式を行わない直葬 費用最大8割以上安く需要増 葬儀の簡略化とともに墓の形に変化も
日本ではいま、65歳以上の高齢者の単身世帯が増加していますが、葬儀や墓の在り方も変わりつつあります。
そのなかで注目されているのが「直葬」です。
どんな葬儀なのでしょうか。
札幌市内の住宅街にある、札幌市民直葬センターです。
(札幌市民直葬センター 藤森浩明センター長)「こちらが直葬のスペースになります。病院や施設からこちらで安置して24時間経ったらそのまま火葬場へという流れです」
道内で初めて直葬を専門として行う施設として3年前に開設されました。
部屋には簡易な祭壇だけが設置されていましたが、直葬とはどのような葬儀なのでしょうか。
一般的な葬儀は、通夜と告別式を行ってから遺体を火葬するという流れですが、直葬は、通夜や告別式を行わずに直接火葬を行うという葬儀の形です。
一般葬と比べて費用が最大8割以上も安くなるといいます。
この施設には遺体を安置する部屋のほかにもー
(札幌市民直葬センター 藤森浩明センター長)「こちらはちょっと特別な部屋になっていて保冷室になっています」
遠方から駆け付ける遺族のために、道内では珍しい衛生的に遺体を保管できる保冷室も設けられています。
そんな直葬への需要は増加傾向にあるといいます。
(札幌市民直葬センター 藤森浩明センター長)「平均大体1か月で17~18件の施行をさせていただいています。本当に近年高齢化が進んで横のつながりが薄れていきます。当然金銭的なものもあると思うが、そういう事情で葬儀がだんだん簡素化という形になってきているのかなと思う」
直葬について市民からは・・・
(市民)「ちょっと直葬なら寂しい感じはする」
(市民)「そんなに大げさにしなくてもこぢんまりと家族だけでやれればいいのかなって思う」
高齢化が進む日本。
2050年には5世帯に1世帯が65歳以上の単身世帯になる見通しです。
そんななか、葬儀の簡略化とともに墓の形にも変化が見られます。
南区にある真駒内滝野霊園の一角です。
(山崎石材 山崎修代表取締役)「こちらの2つのお墓なんです。実は地方のお墓を改葬して寄せ墓として建立しました」
寄せ墓とは、地方に複数点在する親戚の墓を「墓じまい」して、新しく1か所の墓にまとめることをいいます。
墓の管理がしやすくなり、経済的な負担の軽減にもつながります。
(山崎石材 山崎修代表取締役)「お盆のお休みに家族でお墓参りを何か所も回っていくというのは負担と思う方もいらっしゃる。一族のお墓を一つの場所にまとめて、そこに家族・親族みんなが集まれる場所、未来をつくっていく場所としてのお墓の在り方が大切と思っています。それが寄せ墓で作っていける」
葬儀の在り方や供養の場所をどう選ぶか。
高齢社会のいま、いざという時のために家族で話し合っておくことが大切です。