心神喪失で無罪を主張… 死亡男性の妻「真実を被害者の代わりに届けたい」札幌コンビニ3人殺傷事件
札幌市北区のコンビニエンスストアで店員ら3人を刃物で刺し、1人を殺害した罪などに問われている男の裁判が始まりました。
男は起訴内容を認めたものの、弁護側は「心神喪失」の状態だったとして無罪を主張しました。
警察官に取り押さえられる1人の男。
犯行に使われたとみられる刃物を握りしめています。
殺人などの罪に問われているのは、札幌市北区の無職・宮西浩隆被告です。
宮西被告は2024年2月、札幌市北区のコンビニエンスストアで、運営会社の社員・大橋恵介さんをナイフで突き刺し殺害したほか、店員の男女2人を殺害しようとしたとされています。
宮西被告は店内にいた男性店員と女性店員を刃物で次々と襲撃。
その後、バックヤードに逃げる大橋さんを追いかけ、首や胸などを刺したとされています。
さらに、外に逃げた男性店員を追いかけたところ、警察官に取り押さえられました。
(山岡記者)「事件から1年以上経過し始まった裁判員裁判。宮西被告はうつろな表情で証言台に立ちました」
(宮西被告)「間違っている点はないです。やむを得なかったです」
起訴内容を認めた宮西被告。
しかしー
(弁護側)「刺した動機は被害妄想抜きでは説明できない」
弁護側は宮西被告が統合失調症の影響を受けていたと指摘。
「女性店員に避けられる」などの妄想にとらわれていたと述べ、「心神喪失」の状態だったとして無罪を主張しました。
これに対し、検察側は事件前の宮西被告についてー
(検察側)「通常の社会生活を送ることができていた」
統合失調症の影響は否定しなかったものの、当時は心神喪失より軽い「心神耗弱」の状態だったとして、刑事責任を問えると主張しました。
裁判には死亡した大橋さんの妻も参加。
先ほど弁護士を通じて「何が起こったのか真実を被害者の代わりに届けたい」「遺族としては罪と向き合ってもらいたい」と心情を明らかにしました。
宮西被告の刑事責任能力の有無が争点となっている今回の裁判。
判決は7月2日に言い渡される予定です。