コメの値段「上がる可能性が高い」農家に支払う概算金7割以上引き上げ 専門家は「すぐに影響ない」北海道
早くも北海道芦別市ではコメの収穫がはじまりました。
まもなく食卓に新米がのぼるシーズンとなりますが、気になる価格はどうなるのでしょうか。
次々と刈り取られていく黄金色の稲穂。
芦別市のファームなかむらでは、8月14日から新米の収穫が始まりました。
2025年は気温30℃以上の日が続いた影響で、2024年より1週間ほど早い収穫だということです。
(コメ農家 中村寛郎さん)「ことしは(収穫が)異常に早い。過去最高に早い。すごく豊作だとは思うが、かなり期待できるのではないか」
これから本格的な稲刈りのシーズンを迎える北海道。
ホクレンは農協がコメを集める際に農家に支払う前払い金「概算金」について、2025年産は玄米60キロあたり「ゆめぴりか」は3万円、「ななつぼし」は2万9000円、「きらら397」が2万8500円と、2024年に比べ1万2500円、7割以上も引き上げたことが関係者への取材で分かりました。
(コメ農家 中村寛郎さん)「農家的にはかなり助かる。そこから業者が値段をつける基本になるので、値段が上がる可能性が高い」
コメ不足の影響で農協以外の集荷業者との競争が激しさを増す中、ホクレンは概算金の引き上げで農協に集まるコメの量を確保する狙いがあります。
札幌や釧路で店舗を展開する米穀店からは、概算金の大幅な引き上げの影響をこう予想します。
(こめしん 德山大介社長)「かなり値上げになるなと感じて、客足が遠のかないかという心配はある。税込みで10キロで9000円、5キロで4500円という価格帯になってくるのではないか」
こうした状況に消費者はー
(買い物客)「コメが主食で子どももいるし買わざるを得ない。なかなか収入が増えない中で値上げは正直きつい」
一方、専門家は今後の見通しについて、すぐに小売価格への影響はないのではないかと分析します。
(酪農学園大学 相原晴伴教授)「概算金を高くしたからといってすぐに小売り価格の上昇に直結することにはならないと思う。生産者にとっては農協に出荷するメリットがある価格である。消費面でも価格が高くなってしまって消費が減ってしまうことがないようなギリギリの価格を設定したと思う」
値下げも期待された新米のシーズンですが、家計への影響は不透明で、主食への不安が続いています。