消えた道路の白線を応急処置 警察官がスプレーで補修 市と警察の情報交換不足…塗り直し妨げる現状も
道路の白線が消えている問題の続報です。
白線が消えた道路のなかには、一部だけ塗りなおしている道路も見られました。
白線によって管轄が違う縦割り行政が、効率的な塗りなおしを妨げている現状もあるようです。
(鷲見記者)「横断歩道のある交差点ですが、その白線は両端を残して綺麗に消えてしまっています」
札幌市豊平区にある小学校からおよそ200メートルの距離にある道路です。
下校時間には多くの子どもたちが利用していますが、横断歩道の白線がほとんど見えない状態になっていました。
停止線の白線も消えているためか、停止線からはみ出たところで信号待ちをしている乗用車の姿も見られました。
さらに、別の場所ではこんな白線も・・・
(鷲見記者)「平日昼間でも利用者が多い交差点ですが、横断歩道はほとんど消えています」
札幌市中央区の道路では、札幌市が管轄する中央線などは塗りなおされていましたが、警察が管理する横断歩道の白線はかなり薄くなっていました。
なぜ、横断歩道の白線だけが薄くなっているのか市に聞いてみるとー
(札幌市道路維持課 酒井文敏課長)「道路管理者が引く区画線と、警察が引く道路標示がありますが、現場において同時施工を意識した調整や管理を行っておりません。交差点などは一度で施工したほうが良いと思いますので、来年以降、密に検討していきたいと思っています」
道路の白線を塗りなおす際に、白線の管轄が違う市と警察が情報交換しないなど、縦割り行政の弊害が背景にありました。
市民からはー
(市民)「公共スペースだから管轄がどこかは関係ない。横のつながりをちゃんとやってもらわないと困る」
さらに、予算の問題も。
道警によると、横断歩道などの道路標示の補修費は、2024年はおよそ10億円でしたが、全体を補修するには6億円ほど不足していました。
老朽化が進む信号機の補修を優先しているためといいます。
そこで、道警では6月20日、応急処置として試験的にスプレーで補修をしました。
札幌市中央区では警察官自らが塗りなおしましたが、専門業者に委託するよりはかなり経費が削減されるといいます。
(道警交通規制課 齊藤勝調査官)「交通安全施設の予算が平成10年のピークに比べると減っていて、信号の老朽化対策などをする中で、道路標示の予算に配分するのが難しくなっている実態もある」
縦割り行政の弊害や予算の問題などで、なかなか塗りなおされない道路の白線。
命に関わる大きな交通事故にもつながりかねない問題だけに、行政の垣根を越えた早急な対応が求められます。