乗客家族が初めて現場海域へ「魂だけは連れて帰る」ボランティア中心の慰霊式 知床観光船事故
北海道・知床沖で20人が死亡し、6人が行方不明となった観光船の沈没事故。
7月13日、近くの海域では乗客の家族らが参加し、慰霊式が行われました。
初めて現場を訪れた家族は、いまも癒えない悲しみと向き合い続けています。
知床半島の啓吉湾。
遺骨や遺品が見つかった海岸線では、花を手向け手を合わせる人たちの姿がありました。
観光船「KAZU Ⅰ」の沈没事故で犠牲となった乗客の家族ら40人です。
乗客・乗員20人が死亡し、いまも6人が行方不明となっているあの事故から3年あまり。
ボランティアが中心となり実施した今回の慰霊式。
多くの参加者にとって、現場の海域まで近づけたのはこれが初めてです。
知床沖のカシュニの滝の近くで祈りをささげました。
行方がわからないままの30代男性の父親は…
(乗客の家族)「体は帰ってこないけど、魂だけは連れて帰って、安らかに眠ってもらいたい。きょうはよかったです。行けないところに連れて行ってもらえて皆様のお陰です」
息子とその母親が行方不明となっている帯広市の男性は、いまも2人の帰りを待ち続けています。
(乗客の家族)「自分が思っていたよりずっと岸が近くにあって、どんなに岸まで行きたかったろうな、帰りたかったろうなと思いました」
事故をめぐる裁判の決着が見通せない中、乗客家族は癒えることのない悲しみと向き合い続けています。
07/14(月) 19:19