作付面積は9年で2倍に!ブランド化進む「道産ニンニク」消費も拡大 キーワードは気候変動 北海道
ブランド化が進み、「道産のニンニク」が脚光を浴びています。
各地で「新たな特産品に」という機運も高まっています。
なぜニンニクなのか。
産地を巡ると納得の理由が見えてきました。
ブランド化進む「道産ニンニク」最前線
スープカレーにのるたっぷりのこのニンニクも、タコに混ぜ合わせるこのニンニクも!
マグロにかける特製ソースのニンニクも!
どの料理にも北海道産のニンニクがたっぷり!
いま北海道の畑ではニンニクがアツい!
ブランド化が進む道産ニンニク最前線に迫る!
北見で栽培 北海道在来種の“ピンクにんにく”
(阿部記者)「ことしの出来は?」
(常呂町にんにく耕作者部会 遠藤一也部会長)「ことしは適度に雨が降ったので良いと思います。サイズも良い」
北見市常呂町では明治時代から、北海道の在来種のニンニクを生産してきた歴史があります。
前の年の秋に植えたニンニクは冬を越し夏に収穫。
乾燥させたニンニクを選定し、いまが出荷に向け大詰めです。
栽培や管理の難しさ、そして高齢化などから、現在、北見市常呂町でニンニクを栽培している農家は8戸。
しかし、遠藤さんは並々ならぬ思いです。
(常呂町にんにく耕作者部会 遠藤一也部会長)「この地域で何十年も前から栽培されている品種ということで、残していかないといけないという気持ち。それと辛みとにおいがすごく強いので何よりおいしい。それを残していきたい」
(JAところ 武田涼平販売課長補佐)「こちらがうちで取り扱っているところピンクにんにく。ピンク色をしているっていうのが特徴となっているニンニク」
北見市常呂町が誇るブランド。
それが「ところピンクにんにく」です。
冬の寒さなどで皮がピンク色になるのが最大の特徴。
(常呂町にんにく耕作者部会 遠藤一也部会長)「寒暖差はすごく重要。辛み成分もやっぱり寒暖差が影響してくるのでは。生で食べると辛みが強い。熱を通すとすごく甘みが増す特徴」
あまりの熱弁に阿部記者も気になり、取材途中に食べてみることに…
(阿部記者)「見てみますか。焼けておいしそう。ジャガイモのようなほくほくとした食感と甘さを感じます」
しかし、生の「ところピンクにんにく」をかじってみると…
(阿部記者)「あ、辛!食べた瞬間に舌がピリピリする辛さを感じます」
(松寿し 渡辺大棋さん)「味の深みとやっぱりパンチ力ですね。やっとピンクにんにくの時期がきたなって感じですね」
この辛さが栄養価の高さの証。
「常呂の味」が出回るこの時期を、地元の飲食店も待ちに待っていました。
タコとところピンクにんにくの和え物にー
炙ったマグロにかかる特製ソースにはところピンクにんにくがたっぷりと!
この時期だけの味わいです。
(松寿し 渡辺大棋さん)「色んな料理に使えると思うので、全国のニンニクに負けていないと思うので、色んな土地で使ってほしい」
大手コンビニチェーンや菓子メーカーとコラボしたことも!
ところピンクにんにくは全国区のブランドに成長しました。
「箸が止まらない」強インパクト料理にも…道産ニンニク!
油の中で弾けるニンニク!
揚げたての行先は…スープカレー!
ニンニクおよそ6球が入った爆裂ニンニクスープカレー!
(阿部記者)「ニンニクのガツンとしたインパクトがありながらパクパクと食べられる。癖の無さもあって箸が止まりません!」
スプーンで食べているのに「箸が止まらない」と間違えてしまうぐらいのインパクト。
札幌市中央区のスープカレー店、期間限定メニューですが、味の決め手が…
ここでも道産のニンニクです。
(おだし食堂 佐藤雅人代表)「(自社農園で)手間暇かけて生産しているニンニクを、ダイヤモンドにんにく。出汁だけだと繊細さというか力に欠けるという部分があるので、そのあたりを底上げするという役割でダイヤモンドにんにくを使用している」
え?「ダイヤモンドにんにく」?
この店で使うのは、独自のブランド「ダイヤモンドにんにく」。
2017年から上川の美瑛町で栽培を始めましたが…
佐藤さんのスープカレー店の近くには…
(おだし食堂 佐藤雅人代表)「にんにく専門店にんにく種蔵というお店になっています」
パスタソース!タバスコ!そしてマヨネーズ!
店内にはダイヤモンドにんにくの商品がずらり!
その味を届ける専門店まで札幌に開店しました。
(阿部記者)「北海道を選んだ理由は?」
(おだし食堂 佐藤雅人代表)「6次産業化。生産からお客さんに届ける事業をやろうと思った時に、肥沃な大地・豊かな自然という環境で農作物を育てるにはベストな環境」
佐藤さんと共同でプロジェクトに携わる農家の新井聡さん。
(あらいふぁーむ 新井聡さん)「ここが収穫したニンニクを掃除して乾燥させているところになります。黄色いコンテナがそうです」
ダイヤモンドにんにくの種植えから収穫、乾燥まですべて手作業で行い、出荷まで1年以上をかけます。
「1次産業」の「生産」です。
農業の合間には熟成させて黒ニンニクも作ります。
「2次産業」の「加工」です。
(あらいふぁーむ 新井聡さん)「(北海道は)寒暖差があり、のびのびと作れるので、ストレスなくニンニクが育ってくれる。北海道でニンニクを広げたいというのがある。冬に収入がなくなる。(ブランド化させ)6次産業化という加工品を作ることで冬の収入にもなる」
生産・加工、そして「3次産業」の「販売」。
これを一貫して手掛けるいわゆる「6次産業」。
これまで少なかった道産ニンニクに付加価値をつけ、冬場の収入も見込めるのです。
道産ニンニク躍進のわけ…キーワードは「気候変動」
国内のニンニク生産は青森県が大部分を占めていますが、北海道は全国2位。
年々作付面積も増えていて、2015年から9年間でおよそ2倍に増えています。
そのワケを専門家に尋ねると、キーワードは「気候変動」。
(札幌保健医療大学 荒川義人客員教授)「だんだん気候変動で温暖化が進んでいて、ニンニクも温度が高すぎると(本州で)栽培難しい。収量が減る。北海道が産地になっていくということが予想できる。日本人の高齢化と共に健康志向が強まっていますから、その流れに沿っているのがニンニクという印象」
北海道の気候を生かし、新たなブランドを育てる人。
地域に受け継がれてきた味を守る人。
(常呂町にんにく耕作者部会 遠藤一也部会長)「もっと盛り上がっていって青森を負かしたい」
北海道ブランドのニンニクが日本の食卓・世界のテーブルを席巻する日は…
そう遠くない未来かもしれません。
