備蓄米放出も効果不透明 コメ価格は再び値上がり 飲食店の経営圧迫 ため息まじりの声 北海道
5月19日に公表された5月11日までの1週間のコメの平均価格は、5キロあたり4268円となり再び値上がりしました。
備蓄米が放出されてもなお、いまだ価格の高止まりが続いていて、マチではため息まじりの声が聞かれています。
(店員)「お待たせしました。ご飯大盛りになっています!」
ボリュームたっぷりの定食が働く人の味方!
昼時にサラリーマンが詰めかけていたのは、札幌市中央区の飲食店です。
(向山記者)「ご飯大盛りの方は?」
(来店客)「きょうも2杯目。さっきおかわりしました。新卒で入りたてでお金もない中で、昼休みにお金使いたくないけどたくさん食べられるのがすごくいいと思います」
人気の理由は、ご飯の大盛りやおかわりの無料サービス。
しかし、コメ価格の高止まりが店の経営を圧迫しています。
(味の北彩 安崎徳子店長)「おかわりされると辛いところもあります。コメの価格が倍近く上がっているので」
農林水産省が毎週まとめている全国のスーパー1000店のコメの販売価格です。
19日に公表された5月5日から11日までの平均価格は4268円で、再び値上がりしました。
3月以降、これまで3回にわたって農水省が放出した備蓄米は合わせて31万トン。
さらに、5月から7月にかけて毎月10万トンを放出します。
備蓄米を取り扱う札幌市内のスーパーを訪れてみるとー
コメの販売価格は安いものでも3758円。
価格低下の兆しが見えるなか、入荷が十分とは言えず、備蓄米の効果は不透明だといいます。
(クーリッチ拓北店 高西邦明さん)「5キロで大体300円くらい安い感じですが、それがなくなったときには普通に戻ってしまう状況。大きい力を持っているスーパーは(コメを)確保できるが、そうじゃないところはやはり我慢するしかないのがいまの現状」
価格が下がらない背景には、備蓄米が店頭に十分に行き渡っていない状況もあるとみられています。
(来店客)「4000円でしょ。やむを得ないでしょ」
(来店客)「やっぱり流通なんでしょうかね、もう少し安いとね」
19日に当別町で田植えを体験した鈴木知事は、増産が決まった道産米の安定供給に取り組む考えを示しました。
(鈴木知事)「みなさんに素晴らしい北海道米をお届けできるように、北海道としても支援していきたい」
価格の抑制に向けて放出が続く備蓄米。
農水省は流通改善のため、スーパーなど売り渡し先が決まっている業者への優先枠を新たに設けるなど、入札方法を見直す方針です。