ニュース

NEWS

審査開始から11年あまり 泊原発3号機“事実上の合格” 今後の焦点は地元の同意 北電は2027年早期再稼働を目指す

北海道電力が再稼働を目指す泊原発3号機について、原子力規制委員会は新規制基準に適合していると判断し、事実上の合格にあたる審査書案を了承しました。

午前10時半から開かれた原子力規制委員会の定例会合。

(原子力規制委員会 山中伸介委員長)「審査の結果の案を取りまとめることを決定してよろしいですか」

(規制委員)「決定してよいと考えます」

再稼働に向けて審査が続いてきた泊原発3号機について、事実上の合格にあたる審査書案が了承されました。

審査開始から11年あまり、原子炉の耐震設計のほか、地震や津波への対応などが新規制基準に適合していると判断されました。

今後、意見公募を経て、2025年夏にも正式合格となる見込みです。

(原子力規制委員会 山中伸介委員長)「泊3号機は特に自然ハザードについて非常に慎重に審査を行って、そのせいもあって長期に審査の期間がわたった。100%の安全を保障するものではないということは我々自身も肝に銘じて、これからも安全に対して取り組んでまいらないといけないし、安全の責任は事業者に第一義の責任があることを理解したうえで進めていただかなければいけない」

今後、焦点となるのは「地元の同意」が得られるかどうか。

鈴木知事は先ほど取材に応じましたが、再稼働の容認については明言を避けました。

(鈴木知事)「審査においては最終段階に入ったと考えていますが、審査が継続中という状況なので、これまでも申し上げてきたが、予断をもって申し上げる状況にないことは変わりない」

(鈴木知事)「再稼働にかかわる地元同意の範囲については、さまざまな意見があると承知しています。国としてはしっかり前面に立つということで方針を決めているわけですから、国で範囲確定することをやっていただく必要がある」

北海道電力は防潮堤の工事などを終えたうえで、2027年早期の再稼働を目指しています。

こちらが審査の主なポイントです。

・泊原発の敷地内には11本の断層がありましたが、すべて「活断層ではない」と評価されました。

・津波は、高さ最大15.68メートルの津波の想定に対して、北電は海抜19メートルの防潮堤を建設中です。

・火山については、火山灰の影響が考慮されましたが、原子炉の安全機能は損なわれないと確認されました。

今回の安全審査は、福島第一原発事故の教訓から導かれた「新規制基準」に則っているかを判断しています。

地震や津波といった自然災害への備えは十分か、原発の設計基準はより強固になっているか。

そういった基準に適合しなければ、原発を稼働できないという大原則になっています。

30日に規制委が了承した審査書案が正式に決まると、第一段階の「原子炉設置変更許可」が下ります。

そのあと、原子炉の設計や工事などの妥当性を裏付ける「工事計画」や「保安規定」をクリアする必要があります。

そして、最終段階で「地元の同意」を得て再稼働に至るというのが一連のプロセスになります。

04/30(水) 16:27

ニュース