相次ぐバス路線廃止 運転手はピーク時から3割減少 業務環境整え人材確保へ 新たな取り組みも
運転手不足によるバス路線の廃止が相次いでいます。
バス会社では運転手の確保に向け、新たな取り組みが始まっています。
(藤得記者)「札幌駅前から室蘭に向かうバス停には、バスを待つ人で列ができています」
札幌から登別を経由して室蘭を結ぶ高速バス。
1日あたりおよそ140人が利用するバスですが、北海道中央バスは11月いっぱいで路線廃止を決めました。
(利用者)「(仕事に)支障は出ますね。時間に間に合わなかったりとかもあります」
(利用者)「車を持っている方はいいかもしれないんですけど、お年寄りの方もいらっしゃるし、ちょっと不便だなと思います」
小樽を経由し、積丹を結ぶ高速バスも11月で運行が終了となります。
4月にも大幅な路線バスの廃止や減便がありましたが、その理由は深刻な運転手不足です。
北海道バス協会に加盟するバス会社の運転手は、一時8000人ほどいましたが年々減少。
2024年は5300人と、ピークからおよそ30%減っています。
(北海道中央バス 廣谷克己さん)「若い方の入社率も低いところもあるんですが、高齢化した段階で退職している人員もありますので、みなさま方の足を少しでもこれ以上減らさないような努力というのは重要だと思います」
人材の流出に歯止めをかけるため、ある取り組みを始めました。
(長南記者)「北海道中央バスでは運転手の定着と確保につなげようと、食事をとったりくつろげる休憩室を作りました」
ラウンジには運転手がくつろげるようにとクッションやソファーも。
(長南記者)「柔らかなあかりに包まれたこちらの空間では、バスの運転手が業務の間に仮眠をとったり体を休めたりできるということです」
休憩室は札幌から千歳や旭川など長距離を運転する運転手が主に利用するということです。
業務環境を整え、運転手の定着と確保をはかります。
(北海道中央バス 荒井博憲さん)「私たちは大切な人を運ぶほんとに貴重な仕事だと思いますので、ひとりでも多くバス乗務員になっていただきたいなと」
バス路線の廃止や減便に歯止めをかける。
工夫を凝らして人材確保に努めています。