有期刑の上限…男に懲役30年の判決「幻聴の影響」と主張も「刑事責任を問える」札幌コンビニ殺傷事件
刑事責任を問えると判断しました。
札幌市北区のコンビニエンスストアで2024年、店員ら3人を刃物で刺し、1人を殺害した罪に問われていた男の裁判で、札幌地裁は男に有期刑の上限である懲役30年の判決を言い渡しました。
(鷲見記者)「落ち着いた様子で前を向き、静かに話を聞いていた宮西被告。言い渡されたのは懲役30年の判決でした」
(裁判長)「妄想が本人に命令や指示をしていたものではない。刃物で刺すことは悪いことだと認識していた」
宮西被告に言い渡されたのは、有期刑の上限である懲役30年の判決。
札幌地裁は「刑事責任を問える」と判断しました。
判決によりますと、無職の宮西浩隆被告は2024年2月、札幌市北区のコンビニエンスストアで、運営会社の社員・大橋恵介さんをナイフで突き刺し殺害したほか、店員の男女2人を殺害しようとしました。
宮西被告は初公判で起訴内容を認めたものの、犯行の動機について問われると…
(宮西被告)「(一度コンビニを出た際に)『ざまあみろ』と聞こえた。そこから怒りや人生に対する絶望があった」
「幻聴の影響」だと話していました。
弁護側は「女性店員に避けられる」などの妄想にとらわれ、「心神喪失だった」として無罪を主張。
一方、検察側は「行為の悪質性が極めて重く、心神耗弱を考慮しても事案が重いことは変わらない」と指摘し、宮西被告に懲役30年を求刑していました。
刑事責任の有無が争点となっていた今回の裁判。
札幌地裁は7月2日の判決で、「刑事責任を問える」と判断しました。
(裁判長)「主文、被告人を懲役30年に処する」
判決理由について、札幌地裁は「妄想が本人に命令や指示をしていたものではない」「犯行前に、警察に射殺されるかもしれないなど、刃物で刺すことは悪いことだと認識していた」などと指摘しました。
判決を言い渡された瞬間、宮西被告は一切表情を変えなかったのに対し、傍聴席からはすすり泣く声が聞かれました。
社員ら3人を突然襲った残忍な犯行。
司法が下した判断は検察側の求刑通り、有期刑の上限である懲役30年という判決でした。
【争点と判決】
今回の裁判は刑事責任の有無が争点となっていました。
検察側は「心神耗弱を考慮しても、事案が重い」として懲役30年を求刑していたのに対し、弁護側は「心神喪失だった」として無罪を主張していました。
7月2日の札幌地裁の判決は、有期刑の上限である懲役30年でした。
札幌地裁は「妄想が本人に命令や指示をしていたものではない」「犯行前に、警察に射殺されるかもしれないなど、刃物で刺すことは悪いことだと認識していた」として、刑事責任を問えると判断しました。