取扱量は9割以上も減少 スルメイカ不漁で初競り中止 わずか2匹の船も…漁業者は落胆 函館市
道南のスルメイカ漁が6月1日に解禁されましたが、「イカのマチ」として知られる函館では漁獲量が少なく、初競りは中止となりました。
漁師からは落胆の声が聞かれました。
1日午後7時半ごろ、函館の港に戻ってくる1隻の船。
2時間の漁で水揚げされたのは…スルメイカわずか2匹でした。
(記者)「きょうはどうでした?」
(漁師)「全然だめです。去年4匹で、きょう2匹だよ。厳しいね。せめて20匹あれば出荷できたかもしれないけど、2匹ならだめだね。今後に期待するしかないよ、始まったばかりだし」
一方、こちらの船もわずか25匹ほどでした。
(漁師)「きょうの成果はこれだけ。ちっちゃいね。夢も希望もねえよ。廃業しなきゃだめだ、冗談でなくて」
漁にはおよそ10隻が出ましたが、どの船も獲れたイカはわずかで、市場には出荷されませんでした。
2日朝の市場では、競りに出すスルメイカがないため、初競りは中止となりました。
解禁日翌日に初競りが中止となったのは2年連続です。
(函館魚市場 美ノ谷貴宏さん)「昨年に引き続き初日に量が獲れなかったのは非常に残念だが、秋口の最盛期に向けての漁に期待するしかない」
20年前の初競りではスルメイカが溢れんばかりに入ったケースが並び、次々と競りにかけられていました。
しかし、取扱量は年々減少しています。
2008年にはおよそ9000トン近くあったものが、2025年はわずか700トン程度にまで落ち込み、9割以上も減少しました。
今回のスルメイカの不漁の影響は函館の観光名所に見られました。
(東海林記者)「函館朝市で人気のイカ釣り掘です。スルメイカの漁がなかったため、ヤリイカという別のイカで対応しています」
釣ったばかりのイカを楽しめる観光客に人気の釣り堀ですが、水槽に入っているのはスルメイカではなく「ヤリイカ」です。
(元祖活いか釣堀 小野寺透さん)「本当は6月2日にどっと入ってみんなで盛り上がりたいところなんですけどね。一テンポ遅れてくるから勢いに欠けるような感じもしますね」
専門家は明確な見通しを立てるのは難しい状況だと言います。
(国立研究開発法人 水産研究・教育機構 松井萌主任研究員)「日本海側を北上してくる群れに関しては引き続き低い水準なのかな。太平洋から北上してくる群れが多ければ秋以降漁獲が増えてくる可能性があるが、これから調査などをするので見通しは示せない」
不漁が続くスルメイカ。
函館を代表する名産品のその先行きに地元では不安の声が広がっています。