「のんきなクマならいいが…」不安も聞かれる“緊急銃猟” 手続きの煩雑さから制度に懸念も 北海道
9月から自治体の判断でハンターが市街地でもクマを駆除できる「緊急銃猟」が始まります。
しかし、ハンターからは「手続きの煩雑さ」や「責任のあいまいさ」など不安の声も聞かれ、制度の実効性に懸念が生じています。
(訓練)「確実に安全に狙えるところで発砲作業をしてほしい」
8月21日に北海道下川町で行われたのは「緊急銃猟」の訓練です。
地元ハンターや町の職員が参加しました。
9月1日からは「改正鳥獣保護管理法」が施行され、自治体はハンターに対し、市街地での発砲いわゆる「緊急銃猟」を委託できます。
この「緊急銃猟」の条件は、「人の生活圏に侵入」「緊急性が認められる」「猟銃以外での捕獲が困難」「安全性の確保」の4つで全てを満たしている場合に、自治体の判断で「発砲」が可能になります。
しかし、訓練に参加したハンターからはこんな声もー
(地元のハンター)「(クマが)見えているときに一番いい状況で撃てればいいけれど、これほど段取りがあると簡単ではない。のんきなクマならずっといるかもしれないが、移動されるとすごい手間」
さらに、北海道猟友会はハンターの身分の保障が「緊急銃猟」の大前提であると主張します。
(北海道猟友会 斉藤哲嗣専務理事)「(取り消しで)自分の銃が所持できなくなればおそろしくて参加できないところがいちばん懸念材料。(ハンターの身分保障が)はっきりしない場合は慎重な行動をしてくださいというかたちの文書(通知)になると思う」
道猟友会は、緊急銃猟で銃の所持許可が保障されるのかどうか国や道に回答を求める方針で、内容によっては各支部に「発砲要請されても拒否できる」旨の通知を検討しているということです。
08/21(木) 20:23