SNSの書き込み原因か「日本を崩壊させる」国際スクール開校めぐり苦情 地域住民困惑 札幌市
札幌市南区の閉校した小学校の跡地にインターナショナルスクールを開校する計画をめぐり、地域住民が揺れています。
そのきっかけは、SNSに広がった書き込みとみられています。
2021年3月に閉校した札幌市南区の旧常盤小学校。
市は地元町内会との協議の結果、民間事業者への売却を決め、その選定を行ってきました。
6月、市は応募した4つの事業者から、インターナショナルスクールを運営する「グローバル・インディアン・エデュケーション」を優先的に交渉する事業者と決定しました。
9月に学校側が主催した地域住民への説明会の画像です。
男性がプラカードを掲げています。
そこには「日本を崩壊させる移民政策、断固反対」と書かれていました。
この男性はインターナショナルスクールの開校に反対し、市の担当者に詰め寄る場面もあったといいます。
(説明会に参加した住民)「『反対!』とか『札幌市が勝手にやっているんだろう』とか、学校側に対する苦情というよりも札幌市に対する苦情」
説明会に参加した住民によると、この男性を含め、見かけたことのない人が30人ほどいたということです。
その一団からは怒号が飛ぶなど一時騒然とし、警察が呼ばれる事態となりました。
また、こんな発言もー
(説明会に参加した住民)「地域にインド人が家を建てて住み着いて、そこを拠点としながら徐々に南区に勢力を広げて札幌市を乗っ取ろうとしている」
インターナショナルスクールが、インド人限定の学校であるかのような内容でした。
説明会で学校側が配布した資料です。
そこには会社の本部がシンガポールであることや、東京や大阪など国内で6校を運営していることが明記されていました。
学校側の説明では、6つの学校の生徒にインド人は少なく、55%以上が日本人で、これまでに外国人の生徒や保護者によるトラブルもないといいます。
ではなぜ、インド人が大挙して押し寄せるかのような発言があったのか?
その背景にはー
「この周辺にインド人がうじゃうじゃ住めば、女性は夜道を1人で歩くなど絶対にできなくなります」
SNSで拡散されている根拠不明の書き込み。
こうした不特定多数の人の憶測が市民の不安を生み、今回の事態を招いたとみられています。
また、書き込みに呼応するように、計画に反対する陳情書が市議会に寄せられました。
その数は90件にのぼります。
11月26日、市議会の総務委員会で陳情についての審査が行われ、市は学校の事業内容などを説明しました。
(札幌市の担当者)「グローバル社の計画では多様な国籍の生徒を受け入れる方針で、特定の国籍のみを対象とした学校を作る事実はない。札幌市としては誤った情報が市民の不安を助長することがないよう、公式ホームページなどを通じ正確な情報を発信する」
SNSで広がる誤った情報への対応が求められる時代。
自治体への大きな責任が課せられています。