28年の思い出を乗せて! ガリンコ号Ⅱラストクルーズ 今後は解体…元船長も感謝 北海道
流氷を砕いて進む、その迫力から人気を集めるガリンコ号Ⅱが、4月29日で28年の歴史に幕を下ろしました。
ラストクルーズには地元客も集まり、引退を惜しみました。
最後の姿を一目見ようと、北海道・紋別港に多くの人が集まりました。
28年間の思い出を乗せて、ガリンコ号Ⅱのラストクルーズが始まります。
あいにくの天気でしたが、乗客は皆笑顔をみせていました。
(乗客)「ちょうど雪が降ってガリンコ号らしい天気でちょうどいい」
(乗客)「今までの思い出が沢山あったので楽しかったです」
(乗客)「最後乗れてよかったです」
船内には感謝のメッセージも寄せられていました。
皆が振り返るのは、流氷クルーズの思い出です。
流氷を砕きながら悠然と突き進む姿は、いまや北海道の冬の風物詩。
そんなガリンコ号の名前を世に広めたのが、ガリンコ号Ⅱでした。
しかし、28年間走り続けてきた船体は電気系統の劣化など老朽化が進みました。
修繕を繰り返してきましたが、ついに引退が決まりました。
1996年に紋別港にやってきたガリンコ号Ⅱは、翌年から初代ガリンコ号に代わって就航しました。
船の前方についたドリルのようなスクリューが当時は革新的でした。
流氷はもちろん、届けてきたのは自然豊かなオホーツク海の魅力です。
28年間でのせた乗客数は92万人。
「流氷とガリンコ号」は北海道遺産にも登録され、マチの観光を支えてきました。
これまでも流氷で傷ついた船体は丁寧に塗りなおし、象徴的なオレンジカラーを守ってきました。
流氷がない夏にはなんと釣り船に変身し、海釣りを楽しむ客からも愛されてきました。
様々な時代を乗り越えてきたガリンコ号Ⅱ。
29日の引退をもって解体される予定だといいます。
陸上での展示を求める市民の声も多くありましたが、費用が工面できず、無念の別れとなります。
(26年間操縦してきた元船長)「船だって年をとれば使い物にならなくなる、それはそれでしょうがない。大きい事故もなくこの船が動いてくれたのはありがたい」
今後は4年前から運航しているガリンコ号Ⅲにバトンを託します。
これから先もずっと紋別が誇る海の魅力を伝えるため、ガリンコ号の歴史は続いていきます。