3万人近い外国人が訪れる美唄市「夢のような世界」“豪雪”が魅力に!アクティビティ施設のインバウンド戦略に迫る 北海道
冬のニセコや富良野は外国人観光客でにぎわっていますが、実は美唄市にも3万人近い外国人が訪れています。
いったい何が狙いなのかー
豪雪地帯のインバウンド戦略を取材しました。
到着した特急列車から外国人が続々と…「雪が見たい!」
(アナウンス)「列車が到着いたします」
JR美唄駅に到着した特急列車。
降りてきたのは、外国人観光客です。
観光地としてのイメージが薄い美唄ですが、毎日こうした光景が見られます。
その目的を聞いてみるとー
(フィリピンから来た人)「雪が見たいです。フィリピンには雪がありませんから」
(フィリピンから来た人)「ホテルは札幌ですが、雪の体験やアクティビティがしたくて来ました」
豪雪地帯として知られる美唄市。
その雪を求めて外国人が訪れています。
駅から出るとシャトルバスに乗り込み、向かった先はー
冬の間だけ営業するレジャー施設「アルペンスノーランド美唄」です。
来場者の9割が外国人!呼び込みに成功した“戦略”とは
面積は125万平方メートル、エスコンフィールド25個分の広大な雪原が広がります。
実は、夏の間はゴルフ場として営業。
女子プロゴルフのトーナメントも開催された広いコースを、2017年からスノーラフティングやスノーモービルなど10種類以上の雪遊びが楽しめるスポットとして開業しました。
来場者のなんと9割が外国人観光客。
中国政府による渡航自粛の中でも、今シーズンは過去最多の2万7000人が訪れています。
支配人の小水隆史さん。多くの外国人を呼び込んだ仕掛け人です。
(アルペンスノーランド美唄 小水隆史支配人)「出身が関東の茨城で、雪の多さにびっくりしたのと、壮大な景色に感動したので、こういうところが雪を見たことがない人や雪に触れたことがない人に刺さると思った」
冬の美唄に可能性を感じた小水さんは、ふたつの戦略で施設を成功へ導きました。
そのひとつ目が「ターゲットを限定」したこと。
開業当初から雪の降らない東南アジアに照準を合わせ、旅行会社への営業やプロモーション活動を地道に続けたといいます。
(アルペンスノーランド美唄 小水隆史支配人)「ターゲットは東南アジア。雪のない国の人たちに雪を見てもらいたい」
この目論見が見事に当たり、東南アジアからの客が大半を占めます。
(フィリピンから来た人)「子どもに戻ったように幸せ。すごく癒されています」
そして、ふたつ目の戦略が「海外客へ発信」です。
(アルペンスノーランド美唄 小水隆史支配人)「TikTokとかはこんなイメージで。基本的には海外客向けの発信を積極的にやっている」
英語を使ったSNSへの投稿や、東南アジアでよく見られている旅行サイトへの掲載によって、知名度が飛躍的に上がっているといいます。
(フィリピンから来た人)「TikTokを見て夢のような世界だった」
(台湾から来た人)「KLOOK(旅行サイト)で写真を見ました。とてもいい場所です。子どもにぴったりです」
この2つの戦略が功を奏し、お昼時になると施設のレストランは外国人でいっぱい!まるで異国にいるかのようです。
来場者もオープンから5年は知名度不足やコロナ禍で伸び悩みましたが、2022年度からは右肩上がり。
今年度は3万5000人を見込んでいます。
(アルペンスノーランド美唄 小水隆史支配人)「東南アジアの雪を見たことがない人たちが来たときには、雪を見ただけで喜びます。雪が降っていると外に出て喜びます。地元の人からするとやっかい者の雪が利活用できて、観光資源になることが9年経って証明できた」
施設だけでなく地域にもうるおいを!インバウンド戦略が新たな町おこしに
美唄駅へ向かう帰りのシャトルバスで、スノーランドのスタッフが外国人観光客に何やら手渡しています。
美唄市内で利用できるクーポン券です。
スノーランドの成功はマチにとっても大きなチャンス。
美唄駅前にはかまくらやキッチンカーが登場し、外国人を出迎えます。
初めてかまくらに入ったという男性はー
(フィリピンから来た人)「外は寒かったけどとても暖かくて快適です。美唄は有名な雪とアクティビティの場所です」
(台湾から来た人)「都会の札幌とは違って自然が豊かでいいです」
(ステイびばい 工藤賢専務理事)「いままでは(外国人観光客が)そのまま札幌に帰ってしまって食事をすることが多かったが、少しでも美唄に滞在してもらおうと思っているので、観光案内をしながらなるべく美唄に滞留してもらう取り組みを今後も続けて増やしていきたい」
その効果は市内のレストランにもー
(仙中里 門脇夕起子さん)「きのうもイギリスから来ましたね。その前はフィンランドとか」
(記者)「これはきのう使われたクーポン?」
(仙中里 門脇夕起子さん)「そうです。冬場はひまな時期なのでありがたいと思っている」
そのスノーランドでは新たな戦略を打ち出しています。
(アルペンスノーランド美唄 小水隆史支配人)「こちらがキャビンになります」
小水さんが案内してくれたのは、2025年に完成した宿泊施設です。
「和」を基調にした落ち着いた空間。
ヒノキ風呂はさわやかな木の香りに包まれています。
(アルペンスノーランド美唄 小水隆史支配人)「こちらの窓から見える景色が一番の魅力になっています」
天気のいい日には広大な雪原と樺戸連山が見渡せます。
滞在時間を伸ばすだけでなく、美唄を拠点に北海道観光を楽しんでもらうのが狙いです。
(アルペンスノーランド美唄 小水隆史支配人)「この施設に多くの客に来てもらっているので、美唄のマチの方にいい経済効果が波及できればいい。美唄を含め空知地方の核となって客に来てもらって、空知を全部元気にできるような施設になっていけたらうれしい」
雪遊びに訪れる多くの外国人観光客。
豪雪地帯のインバウンド戦略が新たな町おこしにつながっています。