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「地域・バス会社・市」三者共同でバス路線維持へ 廃止される路線…住民の足をどう守る? 札幌

廃止される路線を地域住民が引き継ぐという札幌初の取り組みです。

札幌市内の路線バスでは4月1日に減便や路線の廃止が相次ぎます。

そうした中、ある地域では住民の足がどのように守られたのか取材しました。

(長岡記者)「JR厚別駅を起点に運行する厚別ふれあい循環バスですが、3月いっぱいをもって廃止されます」

北海道中央バスは運転手不足を理由に、4月1日から札幌市内の7路線を廃止します。

JR厚別駅を起点に新さっぽろ駅や地下鉄ひばりが丘駅などを循環し、1日およそ400人が利用していた厚別ふれあい循環バスも廃止の対象です。

(バスの利用者)「持てる荷物の量が限られている。車を運転する人ならまとめ買いできるけど。だいたい使っています」

地域の足を守ろうと立ち上がったのが、地元の町内会です。

(厚別中央町内会連合会 田中昭夫会長)「この地区も高齢化が進んでいて、買い物や病院に行く人も足がないと大変だということで。これを守っていかなければいけないという気持ちがあった」

田中会長など地域住民が頼りにしたのが、札幌市の制度です。

(札幌市都市交通課 越智大輔係長)「地域交通支援制度という地域が主体となって運行手段を確保しようという取り組みに対して、市も財政面と技術面の両面で支援できるという制度の説明をした」

「地域交通支援制度」は地域とバス会社、市の三者共同でバス路線を維持する取り組みです。

市はバス会社が赤字になった場合、最大50%の運行経費を補填できる仕組みになっています。

そして、地域住民の熱意に応えるかたちで観光バス会社が路線を引き継ぎ、厚別ふれあい循環バスとして“代替バス”が実現しました。

しかし、札幌観光バスは貸切バスが営業の中心とあって、4月1日からの路線バス運行に備えて、運転手への教育を急ピッチで進めていました。

(札幌観光バス運転手 小林稔明さん)「バス停にとまるという仕事をしたことがないので、今回初めての試走だったので、バス停を探すのもドキドキしました」

4月1日からいよいよ運行ですが、まずは実証運行のため、運行継続には1日の利用者200人が目安となり、課題は少なくありません。

(厚別中央町内会連合会 田中昭夫会長)「みなさんが力を合わせるとこういうこともできる、できたということなので、これからもいろんな問題・課題があるが、皆さんの協力があれば一つ一つクリアしていける」

住民の熱意と行動力によって守られた地域の足。

これからの地域交通のあり方を示すモデルケースとなりそうです。

03/31(月) 18:57

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