上富良野駐屯地に配備計画 反撃用長射程ミサイル 地元は歓迎も攻撃対象になるリスク 北海道
防衛省は先週、スタンド・オフ・ミサイルと呼ばれる国産の長射程ミサイルを上富良野駐屯地に配備すると発表しました。
北海道内にはどのような影響があるのでしょうか。
轟音とともに煙を上げながら上昇するミサイル。
敵の射程圏外から攻撃が可能な国産の「スタンド・オフ・ミサイル」です。
防衛省は先週、このミサイルを配備する全国6か所の駐屯地を発表しました。
(青柳記者)「上富良野町の駐屯地です。こちらに来年度、新型の長距離射程のミサイルが配備されるということです」
道内には離島の防衛などのために開発が進められている「島しょ防衛用高速滑空弾」が2026年度、上富良野駐屯地に配備されることになりました。
数百キロの射程を持つとみられる「島しょ防衛用高速滑空弾」。
高い高度まで上昇した後、超音速で飛翔し、敵の防空網を突破して基地を反撃する能力があります。
配備を決めた背景には、軍事活動を活発化させている中国などをけん制する狙いがあるとみられています。
(中谷元防衛相)「年々我が国の周辺の情勢は大きく変化しております。特に北朝鮮における弾道ミサイルの能力は向上しておりまして、我が国の安全保障上の脅威になっております」
上富良野駐屯地が選ばれた理由は、ミサイルを扱う経験があったことなどが挙げられます。
駐屯地は2025年で創立70周年。
自衛隊が地域に根付いている中で町民はー
(町民)「別に問題ないと思いますよ。それだけ他国の脅威が増しているということで」
(町民)「抑止力としては非常にいいと思います」
ミサイルの運用に向けた数百人規模の新たな部隊もつくられる予定です。
斉藤町長はマチの活性化を期待しています。
(斉藤繁町長)「(自衛隊と)共存・共栄を歩んできた歴史があります。部隊が増える・隊員が増えることで人口の減少に歯止めをかける、人口増・経済的な効果が十分期待される」
国際安全保障に詳しい専門家はミサイル配備の影響についてー
(長崎大学(国際安全保障) 西田充教授)「長射程化することで日本として確実に反撃できる能力を確保する、それによって抑止力を高めるということです。攻撃の対象のリスクになりうるという点では地域の方々にデメリットにはなると思う」
長射程ミサイルの配備は道内にどのような影響を与えるのか。
防衛省は「引き続き、防衛能力の強化に向けて取り組みを進めてまいります」とコメントしています。