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教員が大型バス運転し遠征へ 部活動移動に苦悩する教育現場「一番の理由はお金」学校や教員任せの実態 北海道

福島県で遠征中の高校生らが死傷したバス事故から1か月。

北海道内でも部活動の移動にレンタカーを使用している実態が明らかになりました。

安全性と部活動をどう両立させるのかー

苦悩する教育現場を取材しました。

バス業者に頼むと10万円…教員の運転で“費用5000円”に

バスの点検を始めたのは、札幌山の手高校・野球部の山田勇教諭です。

(山田勇教諭)「きょうは練習試合に恵庭市まで行って生徒を降ろして、2試合やるので夕方にまた生徒が乗って帰ってくるという運行予定」

出発前には車両の点検、アルコールチェック、日報の記入など学校独自のルールが定められています。

私立の山の手高校は、50人が乗れる大型バスとマイクロバスの2台を所有。

野球部全員が乗れる大型バスを運転できるのは、野球部では山田教諭だけです。

(山田勇教諭)「おはようございます。シートベルトしてください」

およそ30年前に大型バスの免許を取得した山田教諭。

野球部の遠征で、多い時には週に3回運転することもあるといいます。

(山田勇教諭)「最初は内輪差が難しかった。狭い街の中を運転するのは難しい。住宅街とか、学校も住宅街にあるので、学校のところを運転するのは嫌」

およそ1時間後、恵庭市内の高校に到着しました。

野球部では移動の際、運転を外部に頼むことはありません。

教員がハンドルを握ることに保護者はー

(保護者)「基本的には任せているし、それがないと遠征には行けないのが現状。責任をもって先生たちも運転してくれているので心配という心配はない」

(保護者)「いろんなところと対戦させてあげたいというのがあるので、今回の事故があって気をつけていただきたいとは思ったが、とりあえずは安心して信じて」

この日の遠征にかかったのは、ガソリン代と高速代合わせて5000円ほど。

ガソリン代は学校が負担し、部費で高速代を賄います。

これをバス業者に頼むと10万円はかかるといいます。

費用を抑えることができるのが学校所有のバスで、教員が運転するメリットの一つです。

(山田勇教諭)「(外部に頼むと)出費は多くなると思うし、生徒の活動の範囲、経験させられることも減っていくのかな。規制が出ない限りはこのままで。事故もあったので今まで以上に慎重に運転していくのを気を付ける」

新潟県の高校で生徒ら21人死傷事故 ずさんな安全管理が浮き彫りに

5月6日、福島県の磐越自動車道で、新潟県の北越高校・男子ソフトテニス部の部員を乗せたマイクロバスがガードレールなどに衝突。

生徒ら21人が死傷しました。

過失運転致死傷の疑いで逮捕された、運転手の若山哲夫容疑者。

学校関係者ではなく、バスもレンタカーでした。

(北越高校男子ソフトテニス部 寺尾宏治顧問)「蒲原鉄道にバスの運行を依頼したとの認識であり、バスは蒲原鉄道のバス、運転手は蒲原鉄道の運転手であると認識していました」

バスと運転手の手配をめぐって北越高校と蒲原鉄道の主張が食い違っているほか、ずさんな安全管理が浮き彫りとなりました。

この事故を受けて道教委は、生徒を引率する場合は、「一般の交通機関あるいは営業自動車を利用することが原則」と道立学校に改めて通知しました。

しかしー

(教育庁 遠藤直俊指導担当局長)「通知の周知が十分でなかったというふうには受け止めております」

道教委の実態調査で、道立学校のおよそ3割にあたる76校で、教員がレンタカーを運転して送迎していたことが分かりました。

現場では…レンタカーや自家用車の使用が常習化 教諭「なんとなくやっていた」

公立学校で長年、部活動の顧問をしていた教諭です。

現場ではレンタカーや自家用車の使用が常習化していたと話します。

(公立学校元教諭)「正直言って僕だけでなく周りの先生もなんとなくやっていた。北海道の場合だと地域が広いので、大会や合宿となるといろんな交通手段となると自家用車、レンタカーやバスを使ったり、近年猛烈にバスが高いので簡単に使えない」

(向山記者)「原則を守れない理由は?」

(公立学校元教諭)「一番の理由はお金ですね」

当時勤務していた学校では、部活動の遠征費はすべて保護者が負担していたといいます。

(公立学校元教諭)「(当時のルールで)宿泊6000円で泊まれるようなところがないので、部活動をやっている子は自己負担。学校からのサポートはあるけど十分じゃない。(費用負担を)減らしてあげたいと、少しでも移動に安いものをと考えてしまいます。一生懸命やっている姿を見ると震えるんですよね。リスクはあるけど子どもたちから与えられる感動とかがあるから」

こうした学校や教員任せの実態について、専門家は部活動の定義のあいまいさを指摘します。

(日本部活動学会 森田啓之会長)「基本的には生徒の自主的・自発的活動。そこに先生も自主的・自発的に関わっているのが課外活動としての部活動なので、曖昧なものなんですよ。今回だけでなく部活動でいろいろな問題が起こるすべての元凶はそこ。正直なところ国は明確な線引きをするような基準はつくれないと思う」

契約で責任明確化している自治体も「地域の実情に合った利用・運用方法を」

(向山記者)「部活動の移動などで苦悩する学校が多いなか、こちらでは自治体が所有するバスを利用できる取り組みが行われています」

道北の下川町です。

町内の道立学校の遠征などに町所有のバスを使用することができます。

運転手は町が委託する地元のハイヤー会社です。

(下川町教育委員会 羽場剛健教育課長)「プロの運転手に運転していただいているので、契約上でどこに責任があるのか明確にしている。万全を期していると思う」

町が委託料と燃料代を負担し、宿泊を伴う場合のみ、学校が運転手の宿泊代を負担します。

安全を重視した取り組みですが、道教委の通知では原則、認められていません。

(下川町教育委員会 羽場剛健教育課長)「一律にルールを決めるのは必要かもしれないが、地域の実情に合った利用・運用方法にしていただいた方がいいのかな」

道教委は6月中に最終的な調査結果を取りまとめ、ルールの見直しも検討しています。

子どもたちの安全と部活動の機会をどう両立させるのかー

実態に即した仕組みづくりが求められます。

06/14(日) 07:25

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