懸命に生きた17年 足に障害あるアムールトラ「ココア」死ぬ ファンが別れ惜しむ 釧路市動物園
生まれつき足に障害がありながら懸命に生きる姿が感動を呼んでいた、北海道・釧路市動物園のアムールトラ「ココア」が6月18日に死にました。
17歳まで懸命に生きた「ココア」の死を、多くのファンが悼みました。
5月に17歳の誕生日を迎えたアムールトラの「ココア」。
体力が衰えながらも懸命にリハビリを続けていました。
17日から治療に専念するため展示が中止されましたが…
18日午後7時半ごろ、その生涯を終えました。
死因はまだわかっていません。
19日にココアの部屋の前に設けられた献花台には多くの花が手向けられ、別れを惜しむファンが駆け付けました。
(駆け付けたファン)「走って慌てて飛んできた。十分ココアは頑張ったと思います」
(駆け付けたファン)「ファンが来ると立ち上がろうとして、元気な姿を見せようとしてくれる」
ファンの記憶に残るのは、人間でいえば80代まで懸命に生き続けた「ココア」の姿です。
「ココア」は兄弟の「タイガ」とともに、生まれつき後ろ足に障害がありました。
釧路市動物園は段差が一切ない獣舎を建設するなど、世界でも例のない2頭の飼育に奮闘してきました。
「タイガ」は1歳で死にましたが、「ココア」はすくすくと成長。
懸命に歩く姿を一目見ようと、全国からファンが集まりました。
2頭の物語は絵本にもなりました。
障害に負けない力強さは、多くの人に勇気を与えたのです。
そんな「ココア」にとって特別な存在がいます。
生まれた当時の園長・山口良雄さんです。
(釧路市動物園 山口良雄園長(当時))「どこまで順調に今まで通りいけるか不安はあるが、だからこそしっかりと育てたい」
我が子のように見守り続けた山口さんは、年とともに度々体調を崩すココアを心配していました。
そして19日、ココアが死んだ連絡をうけて駆け付けた山口さん。
「ココア」がいた部屋の前で17年分の思いが溢れます。
(釧路市動物園 山口良雄元園長)「一年一日刻んで17年だから、ココアの生命力と動物園のスタッフの皆さんの繋ぎですね。ココアには本当感謝しかない」
17年間、障害に負けず多くの人たちに感動を与え続けてきたココア。
献花台は当面の間設置され、お別れの会も予定しているということです。