“盗撮”逮捕された教諭が繰り返した問題行動 学校把握もなぜ…子どもの安全を守るには 北海道

教員同士の盗撮グループとして、北海道千歳市の中学校教諭が逮捕された事件。
教諭の男は学校でも不適切な言動を繰り返していたことが分かりました。
教育現場で子どもの安全を守るにはどうすればよいのでしょうか。
(保護者)「生徒が通う学校なので、どうしていくかこれから。どうやって対処していくか」
(保護者)「正直もう信頼なんてないかなというのは正直ある」
9月19日、千歳市立北斗中学校で開かれた保護者説明会。
(保護者)「誠意のある説明の仕方。だってこれだと学校通わせられないでしょ」
怒りをあらわにする保護者。
そのわけとはー
(記者)「柘野容疑者が下を向きながらゆっくりと階段を下りてきます」
性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで逮捕・送検された、北斗中学校の教諭・柘野啓輔容疑者。
2024年、道内の施設で16歳未満の女の子の性的な動画を盗撮し、SNSのグループに共有するなどした疑いが持たれてます。
その性的な動画を共有していたというのがー
「全国の教員グループ」でした。
この事件を巡っては、グループを管理していた名古屋市の小学校教諭・森山勇二容疑者や横浜市の小学校教諭ら4人がすでに逮捕・送検されています。
柘野容疑者は“盗撮教員グループ”の5人目のメンバーでした。
その動機についてー
(柘野容疑者)「ネットで他人が撮影した盗撮動画などを見て、自分も盗撮してみたいと思い、盗撮をするようになった。ほかの人が盗撮動画を投稿しているのに感化され、軽い気持ちで投稿した」
悪いうわさが次から次へと…柘野容疑者の“不審行動”
さらに、生徒や保護者が口にしたのは、柘野容疑者の数々の不審な行動でした。
(記者)「どんな先生でしたか?」
(卒業生)「お気に入りの生徒にはわかりやすく態度を変えたりしていた。もとから今回の事件のような噂はたっていた」
(生徒)「いい噂を聞かない。(女子生徒の)足を触ったりそんな感じでした」
(生徒)「聞いた話によるとおしりとか足を触るみたい」
担当していたバドミントン部でもー
(卒業生)「バドミントン部の顧問で、その先生が顧問になったときに急に短パンの丈が短くなったというのを聞いた」
(孫が元バドミントン部)「その先生が嫌で、夏ぐらいで1年ちょっとでバドミントン部をやめた。ひいきしていたみた」
逮捕を受けて開催された保護者説明会。
学校側から衝撃の事実が語られました。
(学校側)「赴任した年に生徒から相談を受けたことがあります。先生が指定するユニホームにしたが短いので嫌だ。当該教諭を生徒が生理的に受け付けられないという訴えがあった。足が細くてきれいだねというような発言があったという情報が寄せられた」
さらに、保護者から市教委にも訴えがー
(学校側)「(市教委に)友達の生徒が頭をポンポンと触られて気持ち悪かった、部員の中に好みの子がいるという発言を聞いたという届け。部活中に寝そべってスマホをいじっていたので、盗撮ではないかと疑った」
学校だけでなく市教委も把握していた柘野容疑者の問題行動。
相談した生徒と距離をとるよう学校側は指導しましたが、処分を下すことはありませんでした。
(保護者)「問題のある先生が何年もいるわけで、それどうなのという感じはする」
一連の対応について市教委はー
(千歳市教育委員会 高橋裕輔次長)「北斗中学校は大きな規模の学校ではなく、担任外における先生が非常に限られている。学校事情としてそういう配置をせざるを得なかった」
専門家は対応の甘さを指摘します。
(NPO法人日本こどもの安全教育総合研究所 宮田美恵子理事長)「期間的にも長期間にわたり、みんなが違和感を抱くようなことがあったとなると、対応しなければいけなかった。(対応は)不十分だったと考えざるを得ない」
(北海道教育委員会 中島俊明教育長)「大きな衝撃を受け止めており、極めて遺憾に思っております」
「9月中に学校内点検を」道教委が緊急で通知
この事件をうけ、北海道教育委員会は緊急の対策会議を開き、道立高校などに対し、9月中に学校内の点検をするよう通知を出しました。
札幌市白石区の札幌東高校です。
道教委の通知を受け、校内のトイレや更衣室などにカメラが設置されていないか点検に回りました。
(北海道札幌東高等学校 高橋昌宏副校長)「視界に入らない高い天井部分に妙な穴がないか、不審なものがないか、掲示物のなかに紛らわしい形でなにか含まれていないか、トイレットペーパーホルダーの死角の部分、こういったところを中心に見ています」
不審なものがないか、管理職の教員が校内の隅々までチェックしました。
(北海道札幌東高等学校 高橋昌宏副校長)「きょうは異常はありませんでした。しかし気を緩めずほかのところも含めて、今回だけに終わらせないで、今後も時期をみて進めていきたいと思います」
柘野容疑者が勤務していた北斗中学校でも2025年7月、カメラがないか点検が実施されました。
しかし、柘野容疑者も点検する側として参加していたといいます。
子どもたちの安全を守るはずの教育現場。
2度と事件が繰り返されないよう有効な対策が求められています。