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【なぜ】保育士が一斉退職 職員不足で「もう無理だなと…」保護者も不満 札幌の保育所で法令違反か

札幌市内の保育所で、12月末までに保育士らが一斉に退職することが分かりました。

元保育士らは必要な人数が確保されていないなどと訴えていますが、何があったのでしょうか。

(保育所側)「今回発生した保育士の一斉退職の事実説明。しっかりと状況を含めて説明させていただきたいと思っています」

(保護者)「辞めていった先生たちの退職理由、その根本的な原因が新体制になって解決できるのか」

札幌市南区の保育所で12月上旬に開かれた保護者説明会です。

そこで明かされたのは『保育士の一斉退職』。

こちらの建物には札幌市が認可する保育所と認可外の保育所が入っていて、保育士ら8人が12月末までに退職するということです。

元保育士はー

(元保育士)「増えるかもわからない子どもに合わせて職員を増やすのは無駄だということをずっと言われていました」

必要な保育士の数が確保できていないと訴えます。

STVは一斉退職が明らかになった保育所の勤務表を入手しました。

このうち10月分のシフトを見てみるとー

23日に出勤した認可保育所の保育士は6人ですが、1人を除いて午後5時までに退勤しています。

市などが定めるルールでは、園児が1人でもいる場合、保育士を複数配置しなければなりませんがー

(元保育士)「一番遅い勤務の人が19時なんですが、17時以降実質1人で見ていたことになります。10月であれば(子どもは)15、6人はいたと思います」

(記者)「ご自身も1人で基準を超えるような人数を面倒みたことは?」

(元保育士)「はい、あります。なんども会社には人員を増やしてほしいことを伝えていたんですが、募集を出しているだけでもありがたいと思ってくれみたいな話もされたこともあるので、『もう無理だな』という気持ちになりました」

札幌市はこの認可保育所に対し、「2024年度の職員の配置状況に違反はなかった」などとする一方、同じ建物の認可外の保育所については「複数の保育従事者を配置できていない時間があった」と指導していたことが分かりました。

保育所を運営する会社は一斉退職について「深く反省している」などとする一方…

(保育所を運営する会社)「配置基準や法令上の評価については関係機関とも連携しながら確認・整理を行っている段階であり、違反の有無を断定することは差し控えます」

専門家は保育現場の実態をこう解説します。

(北海道教育大学 稲井智義准教授)「保育には人が来ていないのではないか。保育者を養成する学校もやめたり、実習生・入学希望者も減っているという状況はあると思います。子どもと関わって楽しくて魅力があると思うんですが、とても大変な状況であることは間違いないと思います」

保育士の人手不足が一斉退職や法令違反を招いたのでしょうか。

子どもの命を預かる施設だけにルールの順守が求められます。

12/23(火) 18:41

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