道内企業の約3割が遭遇 サイバー犯罪横行 フェイク動画など手口多様化 セキュリティ対策急務
本物と見分けがつかない偽動画や、工場のシステムを乗っ取り生産まで止めるサイバー犯罪。
全国的に被害が相次ぐ中、北海道内でも対策が急務となっています。
大手総合飲料メーカー・アサヒグループ。
サイバー攻撃によるシステム障害をうけ、11月27日に経営陣らが記者会見を開きました。
(勝木敦志社長)「多くのお客様、関係先の皆様に多大なるご迷惑をおかけしていることを心よりおわび申し上げる」
国内におよそ30ある工場のほとんどが一時、受注や生産、出荷を停止しました。
再発防止策として、通信経路やネットワークを再設計し、2026年2月までの復旧を目指すということです。
今、全国で増えているサイバー犯罪。
帝国データバンクによりますと、2025年の調査で、道内の企業の29.4%が「過去にサイバー攻撃を受けたことがある」と回答しています。
道内でも影響が広がるなか、先週、道警本部ではサイバー犯罪を防ぐため、勉強会が開かれました。
(動画)「今すぐ私の口座に1000万円を振り込んでください」
(鷲見記者)「今見ていただいた動画は私が話したものではなく、AIによってつくられたディープフェイクなんです」
専用のソフトに記者の画像をアップロードすると、金銭を要求する動画が生成されました。
このような手口を使って有名人などになりすまし、金を要求するサイバー犯罪が横行しています。
さらに、こちらは工場の温度管理システムを再現した画面。
設定温度は28℃になっています。
しかし、ウイルスに感染したUSBを差し込むと...
(鷲見記者)「設定温度がいじっていないのに100℃になっています。下げようとしても下がらない」
システムが破壊され、工場の温度が上昇していきます。
こうした様々な手口でのサイバー犯罪を防ぐために、専門家は意識の向上が重要だと指摘します。
(技術研究組合制御システムセキュリティセンター 渡部宗一専務理事)「セキュリティに対する基本の意識が変われば対策も変わってくると思う。まずは従業員のセキュリティに関する教育をしっかりやっていくことが重要だと思う」
被害を防ぐためには、企業だけでなく私たち一人ひとりが日頃からセキュリティ対策を徹底することが欠かせません。