社長と役員から暴力 従業員は重傷・抑うつ状態に “異様な社風”浮き彫りに 暴行動画拡散の建設会社・札幌
札幌市西区の建設会社の社長が従業員に対し暴力をふるう動画が拡散されていた問題で、警察は6月16日、この建設会社の社長ら2人を傷害の疑いで書類送検しました。
被害者の男性は「厳しい処分を求める」とコメントしています。
この映像は2025年3月、札幌市西区の建設会社「花井組」の社員寮にある防犯カメラに残された映像です。
暴行を受けている当時、従業員だった20代の男性です。
男性を後ろから押さえつけているのは50代の役員の男。
そして、殴る蹴るの暴行を加えているのが60代の社長の男です。
この男2人は16日、傷害の疑いで書類送検されました。
捜査関係者によりますと、2025年3月、男2人は西区の社員寮で、当時従業員だった20代の男性を羽交い締めにして殴る蹴るなどの暴行を加え、首やひざに重傷を負わせた疑いが持たれています。
被害を受けた男性によりますと、膝や股関節、左耳の難聴など全治1か月以上のけがを負ったほか、抑うつ状態になったといいます。
元従業員の別の男性は、会社内の実態についてこう証言します。
(元従業員の男性)「完全にワンマンで社長のいうことは絶対で。部長が仕事でミスした時にバリカンで丸刈りにされていたとか」
さらに会社には独自のルールがあったといいます。
こちらは会社のグループラインのやりとりです。
朝起きたら必ず社長にメッセージを送ることになっていたといいます。
社長が怒ったときには激しく罵倒する言葉が送られてきていました。
(元従業員の男性)「朝はお盆だろうがGWだろうが必ずみんな(メッセージを)いれていましたね。帰宅の時間もラインにいれろっていうのが始まって。絶対的な権力者っていうのを誇示したかったのかなっていうのはあります」
被害を受けた男性によりますと、社長らとの間で示談が成立しているということで、警察は起訴を求める「厳重処分」ではなく、起訴を検察の判断に委ねる「相当処分」の意見をつけています。
花井組を巡っては、暴行の様子が映った防犯カメラ映像が5月、SNS上で拡散し批判が殺到。
その後、暴力が確認されたとして、バスケットボール・Bリーグのレバンガ北海道が花井組とのサポートシップパートナー契約を解除したほか、札幌市は花井組の競争入札への参加資格を4か月間停止し、SDGs認証を取り消していました。
STVの取材に対し、被害を受けた男性は「今もまだ心の傷も体の傷も癒えていない。厳しい処分を求める」とコメントしています。