「ずば抜けてまずい!」 まずさで勝負!“ジンギスカンキャラメル”誕生秘話 北海道

商品棚にずらっと並んだお菓子!
北海道土産の魅力のひとつです。
もちろん、味も最高!
“おいしい”お菓子が販売されているはずなのですが…
(急式キャスター)「狸小路にあるお土産物店です。こちらにキャラメルコーナーがあるんですが、ずらーっといろんな種類が並んでいますね。おなじみのサイコロキャラメル、そしていろんな味わいがあるんですが、北海道らしいですね、メロンにバター、牛乳、ハスカップとどれもおいしそうなんですが、その中で異彩を放つのがこちら。なんと『ずばぬけてまずい』と書かれています」
え、『まずい』って、どういうこと!?
キャラメル売り場でしばらく取材をしていると、やってきたのは2人の男性です。
(客)「ジンギスカンキャラメル買っていったら?」
(客)「これ?」
数あるキャラメルの中から男性が手に取ったのはジンギスカンキャラメル、そしてメロン、バター、イチゴ味です!
(急式キャスター)「なぜこれを選んだ?」
(客)「これが一番目についた」
(客)「まずいって言われたら気になる。試してみたくなる」
大々的に『まずい』と書かれたジンギスカンキャラメル。
以前、春節の取材をしたときにも、台湾から来た観光客が…
(台湾から来た人)「ジンギスカンキャラメル。SNSで見て北海道のお土産らしいから買いたい。台湾の友達も食べていた」
(記者)「どんな風に食べている?」
(台湾から来た人)「友達がおいしくないと言っている。食べてみたい」
まずい、まずいと言われると、味が気になりますよね。
お土産の知識が豊富な「たぬきや」の高橋常務と一緒に、ジンギスカンキャラメルを食べてみました。
(たぬきや 高橋諒常務)「私も10数年食べていないので、久々にどんな味か確認したいなと思います」
(急式キャスター)「ではいただきましょうか。いただきます。色は…白っぽいですね。においは…しますね。すでにジンギスカン臭が…あ!もうきた…」
(たぬきや 高橋諒常務)「久しぶりに食べたけどきますね」
(急式キャスター)「ジンギスカンそのものなんですけど、鍋の底にあるような味」
高橋さんも何とも言えない表情をしていますが…
(急式キャスター)「どうですか?」
(たぬきや 高橋諒常務)「まずいですね」
(急式キャスター)「私は遠慮していたんですけど、まずいですか?はっきりおっしゃいましたね」
ジンギスカンキャラメルは、SNSの評判を見た外国人観光客や修学旅行生に人気があるといいます。
(たぬきや 高橋諒常務)「当店の中でも、食品で“おもしろ”ふざけた食品というのはないので、昔からお客様から聞かれます。長く人気の商品です」
(急式キャスター)「お店のポップも、ずば抜けてまずいと書いていますね。いいんですか?」
(たぬきや 高橋諒常務)「大丈夫だと思う」
(急式キャスター)「メーカーから苦情は?」
(たぬきや 高橋諒常務)「メーカーさんもまずいと言っているはず」
ということで、ジンギスカンキャラメルを開発した会社を訪ねてみました。
営業本部長の伊藤さんです。
店のポップに「まずい」と書かれていますが…?
(札幌グルメフーズ 伊藤太郎営業本部長)「狙って『まずいキャラメルだよ』と。おいしいと売れなかったと思います。基本的に、食べるというよりネタとして買うお菓子かなと。新千歳空港で買ったけど、やっぱりまずかったと、全部食べ切れないとか、でもそれがクレームの電話が来ておいしくないねというのはないですね。おいしくないのを分かっていて販売していますので」
開発当時、ジンギスカンのほかに候補にあがったのは「カニ味」「ラーメン味」。
この3種類の中から、一番インパクトがあるジンギスカンを選び、おいしさではなく、面白さを求めて作ったといいます。
いまや会社にとってなくてはならない人気商品となった「ジンギスカンキャラメル」。
伊藤さんにも食べてもらうと…
(札幌グルメフーズ 伊藤太郎営業本部長)「うん…やっぱりまずいです。やっぱりおもしろいなと思います。食べながら。こんなにまずいキャラメルがあるんだなと」
北海道にはまだまだ知る人ぞ知るユニークなお土産があるかもしれません。