水産加工品を試食する様子も プーチン大統領が択捉島訪問 元島民「平和的に解決して平和条約を」
8月13日、北方領土の択捉島に降り立ったのは、ロシアのプーチン大統領です。
(住民)「ここにいらっしゃるのは珍しいですね」
(プーチン大統領)「そうですね」
初めての北方領土訪問となります。
プーチン大統領は水産加工施設を視察しました。
そこではイクラのようなものを試食する様子もー
(プーチン大統領)「おいしいです。ありがとうございます」
北海道の北東に位置する北方領土。
歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島の4つからなる日本固有の領土ですが、第二次世界大戦をきっかけにソ連およびロシアによる実行支配が続いています。
プーチン大統領は12日、13年ぶりにサハリン州を訪れ、ロシア海軍太平洋艦隊の軍事演習を視察しました。
そこで、北方領土についてこんな発言がー
(プーチン大統領)「日本はわが国に対して領土を主張している。しかし、これは第二次世界大戦の結果として国際的な文書に明記されている」
この国際的な文書が何なのか明らかにしませんでしたが、“北方領土はロシアの領土”だと改めて主張しました。
プーチン大統領の一連の言動について元島民からはー
(国後島出身 古林貞夫さん)「まさか今回来るとは想像もしていなかった。ロシアが北方四島について自分らの島だと強調するために来たのかなと思いますけどね」
(歯舞群島出身 角鹿泰司さん)「元島民としてはマイナスにならなければいいなと。平和的に解決して平和条約を結ぶことを高市首相に強く求めたい」
かつて安倍首相の時代には建設的な交渉が進められていました。
2018年には、北方領土のうち2島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に、「平和条約交渉」を加速させることで合意。
しかし、対面での首脳会談は2019年が最後です。
2022年から始まったウクライナ侵攻で日本が経済制裁したことにロシアは反発し、以来、平和条約の交渉は中断しています。
高市首相はプーチン大統領の北方領土訪問に強く抗議する姿勢を見せました。
(高市首相)「北方領土は歴史的にも国際法上もわが国の領土。ロシアの大統領による択捉島訪問は北方領土に関する日本の一貫した立場と相いれません。中長期的な関係回復を困難にしたと言わざるを得ない」
なぜ、プーチン大統領は今回北方領土を訪問したのか、独自のルートでロシアを訪問するなど交流を続けてきた自民党の鈴木宗男参議院議員はこう指摘します。
(鈴木宗男参院議員)「安倍晋三首相の時は日露関係は良かったということを強調している。裏を返せば高市さんともう一度、安倍首相の時代に戻そうじゃありませんかという、プーチン大統領の呼びかけというか、ささやき」
ロシアの実効支配が続く北方領土。
プーチン大統領による訪問で、今後の返還運動の見通しは一層不透明となっています。
