【記者解説】「現場にいなかったから」では済まされない 判決が示したことは…桂田被告に禁錮5年
北海道・知床沖で起きた遊覧船沈没事故の裁判で、運航会社社長の桂田精一被告に対し、釧路地裁は求刑通り、禁錮5年の実刑判決を言い渡しました。
ここからはSTV司法キャップの百瀬記者とお伝えします。
Q.改めて今回、釧路地裁の判決理由を教えてください。
まず、今回の裁判は「事故を事前に予見できたかどうか」が最大の争点でした。
釧路地裁は「強風と高波の状態で出航すれば乗客の安全に危険が及ぶことは予見できた」と、事故の予見可能性を全面的に認めた形になりました。
その上で、「桂田被告が責任の重さを真摯に受け止めているようには見受けられない」と法廷での態度も指摘し、考えられる限り最も重い判決を言い渡しました。
Q.過失が認められると判断したポイントは、どのようなところにあったのでしょうか?
今回の業務上過失致死という罪ですが、過去には無罪や執行猶予付きの判断がある一方、海難事故で経営者が過失責任を問われるという非常にめずらしい裁判でした。
こうしたなか、釧路地裁は26人が死亡・行方不明となった「結果の重大性」、ここを強く打ち出していました。
これほど大きな事故が起きた以上、安全への責任もそれだけ重くなる。
つまり、「現場にいなかったから」では済まされないことを示した判決でした。
陸にいる責任者も罪に問われる可能性があるのだと、小型船の安全運航を示す事例として重要な判決だったと思います。
一方で、「命の重さを考えると、納得することはできない」と話す乗客家族もいます。
だからこそ、この事故を過去のものとして風化させてはならないと感じています。
06/18(木) 12:48