ニュース

NEWS

「やっていけない」不安が尽きない年金制度「持続可能性を見ているか」各候補者の主張は?北海道

【候補者を見る】改選3議席の北海道選挙区に、12人が立候補

7月20日に投開票を迎える参議院選挙。

争点のひとつは「年金制度改革」です。

将来的に年金の支給額は減ってしまうことが懸念されています。

今後の年金制度について、皆さんはどんなことを望んでいるのでしょうか。

北海道石狩市に住む石崎富子さん85歳です。

90歳の夫と2人で暮らしています。

石崎さん夫婦は50年近く農家を営んでいました。

現在は農地を貸して入ってくるお金などから光熱費を賄い、それ以外は年金だけで生活しています。

(記者)「いま受給しているのは?」

(石崎富子さん)「国民年金だけね。12万までいかないね。6万と5万ちょっとだから」

現在の年金制度は、20歳以上の全国民が加入する「国民年金」があり、会社員や公務員などは収入に応じて受け取り額が増える「厚生年金」にも加入します。

国民年金の受給者で、1人あたり1ヶ月6万円ほどの年金を受け取る石崎さん夫婦。

主な出費は食費だといいます。

持ち家のため、家賃はかかっていません。

(石崎富子さん)「持ち家があればさ、いくらか食べる分はね何とかなるけど、電気料金とかも一切かかるでしょう。それだったら私はやっていけないと思います。年金では」

ある程度の蓄えや節約が欠かせないのが年金生活の現実です。

ほかの年金受給者の声はー

(年金受給者)「前は旅行に行けたのに今は全く行けない。だって余裕がないんですもん」

(年金受給者)「うちはまだ主人が仕事をしているので…でも年金だけになったら、とてもじゃないけどやっていけないなって」

年金制度は2024年、“財政検証”という見直しが行われました。

その中で、2057年度の時点で、基礎年金の給付水準つまり実質価値が“いまより3割下がる”と指摘されています。

そこで、6月に成立した年金制度改革関連法では…

4年後の財政検証で、基礎年金の給付水準が下がると見込まれた場合、基礎年金を「底上げ」しようというものです。

そこには厚生年金の積立金が活用されますが、この底上げを実施すると…

将来的に国が負担する費用は、いまより年間1兆円から2兆円ほど増える見込みです。

“その費用をどのように賄うか”は参院選の大きな争点の1つとなっています。

働く世代はー

(会社員)「給料の明細を見て引かれているなとか、高くなったなと思うくらいで、どこか他人事のようになってしまっている」

(会社員)「社会保険の加入条件というのも変わっていると思うが、すでに払ってきている人に対して何か還元というか、あればいいな」

(会社員)「高齢になったときにもらえないんじゃないかと。今から自分で貯金できたらいいなとは思っています」

今回の参院選でのポイントについて、山崎幹根教授はー

(北海道大学公共政策大学院 山崎幹根教授)「制度の持続可能性を各政党・候補者が見ているかどうか。どこまで説得的なことを我々に語りかけるのかを見ていきたい」

不安が尽きない年金制度。

有権者の1票が今後の行方を大きく左右します。

「年金制度改革」について各候補の主張です。

▽自民党 高橋はるみ候補「年金制度の支え手を増やす、賃上げなどで年金財政の改善」

▽参政党 田中義人候補「在職老齢年金制度の廃止、高齢者雇用安定法の強化」

▽日本保守党 小野寺秀候補「少子化対策と経済発展」

▽NHK党 後藤朋子候補「給付を抑える」

▽日本共産党 宮内史織候補「年金積立金を計画的に取り崩し、給付の維持・拡大に活用」

▽自民党 岩本剛人候補「基礎年金の給付水準の確保、高齢期の所得保障機能の強化」

▽チームみらい 稲原宗能候補「基礎年金を税金で負担。社会保障料の減免」

▽国民民主党 鈴木雅貴候補「世代内での支え合いを進め、最低保障機能を強化」

▽立憲民主党 勝部賢志候補「“マクロ経済スライド”の早期終了。低所得高齢者の年金に一定額の上乗せ給付」

▽日本維新の会 オカダ美輪子候補「“社会保障国民会議(仮称)”を立ち上げ、議論を早急に始める」

▽日本改革党 高杉保次候補「厚生年金廃止、公費投入停止」

▽れいわ新選組 野村パターソン和孝候補「社会保険料を国庫負担で引き下げ、年金を底上げ」

07/17(木) 07:01

ニュース