3議席をめぐり候補者乱立の北海道選挙区 各陣営の訴え 17日間の選挙戦幕開け

7月3日公示、20日投開票の参議院選挙。
北海道選挙区では3議席を争い、選挙戦が繰り広げられます。
候補を擁立する各陣営は、それぞれの訴えを鮮明にして臨戦態勢に入っています。
5月、札幌に駆け付けた小泉進次郎農水相。
(小泉進次郎農水相)「一緒に立っているとまるでSPみたいな感じですけど、農水相になった私にとっては心強い、政策面でもSPのような方が岩本さん」
“コメ担当大臣”がエールを送ったのは、自民党の現職で再選を目指す岩本剛人さんです。
(岩本剛人氏)「運動量で勝負するしかないと思っていますから、できる限り1日でも1人でも多くの人にお会いして地域をまわりたい。それ以外勝てる可能性はないというのが自分の実感」
前回の参院選で3番手で当選した岩本さん。
「政治とカネの問題」を背景に、党の支持率はいまだ低迷し、苦戦が予想されています。
自民党にとって2議席獲得は至上命題。
岩本さんを重点候補とし、支援を集中する方針です。
2議席堅持に向けて足元を固めるのは、同じく現職の高橋はるみさんです。
平日は東京、週末は地元のあいさつ回りと忙しい日々を送ります。
(高橋はるみ氏)「この年ではあるけど、ちょっと成長したかなと思う。地域づくり・北海道づくりへの貢献はできるかなと思う」
北海道知事として4期16年務めた実績から知名度は十分。
しかし、今回の選挙では参議院議員としての6年間が問われます。
(高橋はるみ氏)「(政治資金収支報告書の)不記載をしてしまいました。裏金は1円もありません。それだけは信じていただきたい」
(勝部賢志氏)「おはようございます」
(記者)「十勝にはいつ入ったんですか?」
(勝部賢志氏)「きのうの夜、夜中に着きました」
支持固めに奔走するのが、立憲民主党の現職・勝部賢志さん。
この日は十勝の芽室町で街頭演説をスタートしました。
(勝部賢志氏)「食料品の消費税0%、これを何とか実現したいということで取り組んでいます」
物価高対策を前面に押し出し、支持を呼びかけます。
(勝部賢志氏)「暮れに孫が生まれましたので、この子が健やかに育っていけるような社会を作らなきゃいけないというのが、私の思いとしてはさらに強くなった」
立憲民主党道連は、参院選まで逢坂代表の続投を決定。
衆院選の勢いそのままに、勝部さんの上位当選を目標に掲げます。
そんな現職に立ち向かうのが、国民民主党から名乗りを上げた鈴木雅貴さん。
選挙戦に向けて体力づくりに励んでいます。
(鈴木雅貴氏)「顔と名前を覚えていただくように、朝駅立ちしたり街頭演説したりを引き続きやっていく」
東京都出身の元証券マン。
北の大地では知名度がまだありません。
(鈴木雅貴氏)「多くの人と会うために、時間をすべてまわってお客様の声を聞くことに費やして…(支援者ね!)すみません、支援者の…」
衆院選で大きく躍進した国民民主党ですが、参院選の公認をめぐる問題などの影響か、支持率は下落傾向。
支援する連合の芳野会長は札幌での会見でー
(連合 芳野友子会長)「一時期よりも支持率が下がってきていることに対して、連合として危機感を持っています」
1歳の息子の父親でもある鈴木さん。
「手取りを増やす」政策の実現を目指します。
(鈴木雅貴氏)「みなさまひとりひとりの生活が豊かになることで、この北海道・日本の経済が良くなることを目指しています」
6月、事務所開きをしたのは共産党の宮内史織さんです。
(宮内史織氏)「希望が持てる温かい政治をつくるために、私も全道をまわって頑張ります」
国政への挑戦は2024年の衆院選に続き2回目。
消費税の廃止を訴えて支持の底上げを狙います。
(宮内史織氏)「消費税の減税 一律で5%に下げて廃止を目指すというのを実現したい。大企業の行き過ぎた減税と超富裕層への減税を見直す」
日本維新の会から出馬するのはオカダ美輪子さんです。
外国人材の就労支援を行う会社を経営しています。
(ベトナムから)「オカダさん頑張ってください。絶対できます」
日系ブラジル人の夫と2人の娘を持つ母の顔も。
女性の政治参画に取り組みたいと意欲を見せます。
(オカダ美輪子氏)「女性の声が反映すればもっと変わるんじゃないかという思いで、女性参画を訴えていきたい」
減税を訴えるのは、元旭川市議会議員でれいわ新選組から出馬する、野村パターソン和孝さん。
“積極財政”で暮らしを明るくしたいと意気込みます。
(野村パターソン和孝氏)「れいわ新選組が掲げている積極財政という経済政策への転換、農業政策の2つになると思います。食の自給率を上げなければいけないという危機感は北海道が解決しなければいけない」
参政党から出馬する田中義人さんです。
元倶知安町議会議員で、外国資本による過剰な開発に対し、法整備を訴えています。
(田中義人氏)「いまの法律がグローバル化にまったく対応をしていない。いいところは全部外国資本に持っていかれて、利益が外に漏れるという構造になっている。日本の国益を最優先した政策にするべきだというふうに思っています」
多くの聴衆が詰めかけた札幌の大通公園。
その目当ては、日本保守党の小野寺秀さんです。
(小野寺秀氏)「いまの政治はあまりにおかしい。私は誰よりも北海道のおかしい政治を知っております」
小野寺さんは帯広市出身の元道議会議員。
国政の舞台に挑戦します。
(小野寺秀氏)「いかに道民が幸せに暮らしていけるか。食品に対する消費税減税を重要視して皆さんに訴えていきたい」
政治団体・チームみらいからは、AIエンジニアの稲原宗能さんが出馬を表明しました。
(稲原宗能氏)「スマート農業の効率性や、IT・AIで助けられる部分がいっぱいあること。そういったものを生かしてより北海道を盛り上げていく」
政治団体・日本改革党からは、広告会社社員の高杉保次さんが出馬を表明しました。
(高杉保次氏)「社会保障費の膨大な無駄遣いが第一にあります。政治の場で防がないとこのあと立ち行かなくなる、税金の流れの問題があり立候補した」
政治団体・NHK党からは、経理事務のパートをしている後藤朋子さんが出馬を表明し、NHKの受信料廃止を第一条件に掲げ「NHKから国民を守る」と会見で話しました。
候補乱立の様相を呈する北海道選挙区。
3議席を争う参院選は、7月3日公示、20日投開票です。