応援演説で物々しい雰囲気…要人の警備体制に変化 金属探知機に防弾パネル 安倍元首相銃撃から3年
安倍晋三元首相が前回の参議院議員選挙の応援演説中に銃撃され、死亡した事件から7月8日で3年です。
事件をうけて、今回の参院選では要人の警備体制はどのように変わっているのでしょうか。
奈良県の近鉄大和西大寺駅前です。
朝早くから多くの人が訪れ、設置された安倍元首相の献花台に花を手向けていました。
(献花に訪れた人)「政治家が襲われるというのは、ちょっと意味が違うと思う」
3年前の7月8日。
参院選の応援演説に訪れていた安倍元首相は、多くの群衆の前で突然、銃で撃たれて死亡し、全国に大きな衝撃が走りました。
その事件から7月8日で3年。
参院選が公示され、北海道内でも各政党による街頭演説が本格化していますが、要人の警備はどう変わったのでしょうか。
(東海林記者)「演説の開始までまだ1時間ぐらいあるんですけど、会場には関係者や警察官が集まり、かなり物々しい雰囲気です」
会場にいたのは20人以上の警察官。
この日、函館市に応援演説に来ていたのは、政府の閣僚の1人です。
会場では訪れた人々を1人ずつ金属探知機で持ち物検査をしていました。
また、演説中も聴衆と20メートルほどの距離がとられたほか、安倍元首相の銃撃事件をうけ、防弾のパネルが設置されるようになりました。
(演説を聞きに来た人)「もうちょっと近くでお話を聞けたら良かったかなとは思いました」
一方、先週、札幌の大通公園には別の野党党首が応援に来ていましたが、警察官による警備の姿はほとんどなく、党首自身が直接触れ合う場面もありました。
いままでどおり、有権者との距離感を重視して選挙活動をしていたとみられます。
そして8日、札幌に野党の党首が訪れた会場を見てみるとー
(長岡記者)「街頭演説の30分前ですが、警察犬が出動して周囲を警戒しています」
政府の閣僚と同じく、金属探知機による検査や防弾パネルによる対策などがとられていました。
要人が応援演説に来るときは多くの会場で警備が強化されたようです。
専門家からは、要人への襲撃事件が相次ぐなか、候補者側にも防犯意識を高める必要性があると指摘します。
(元警視庁刑事 吉川祐二さん)「場所の選定についてもしっかり考えてほしい。いつ襲われてもおかしくないんだという気持ちは忘れずに行ってほしいと思います」
世間を震撼させた銃撃事件から3年。
昔ながらの有権者との触れ合いが難しくなる中、いかに支持を広げるかが各政党の課題となっています。