“マイナ保険証”が本格始動 道内利用率は約34% クリニックでは戸惑いの声も 不安払しょくが課題
医療機関を受診する際、12月2日から原則としてマイナ保険証か資格確認書の提示が必要になります。
クリニックではシステムに戸惑う人の姿も見られました。
(スタッフ)「こんにちは。マイナ保険証はお持ちですか?」
(山岡記者)「はい。こちらマイナ保険証です。従来の保険証は有効期限が切れて、マイナ保険証に移行されました」
札幌市中央区のクリニックです。
こちらのクリニックでは半数ほどの患者がマイナ保険証を利用しているといいます。
従来の健康保険証が1日で期限切れとなり、「マイナ保険証」を中心とする仕組みに移行された2日、システムに少し戸惑う人もー
(スタッフ)「進めますか?どっちか選んでもらって」
マイナ保険証の登録が済んでいない人は、「資格確認書」の提示でも受診することが可能です。
(山岡記者)「マイナ保険証はお持ちですか?」
(資格確認書を提示した人)「持っていないです。資格確認書をもらっていたのでそっちで対応しています」
(マイナ保険証を提示した人)「診察や薬の履歴が分かるらしい。便利なような気がします」
読み取り機にカードを置いて本人確認をするマイナ保険証。
医療機関側にはメリットがあるといいます。
(クリニック・イン・ザ・モーニング 鳴海翠事務長)「カードリーダー通していただくと、患者さんの名前・生年月日・保険情報・住所までデータとしてくるので、手入力の手間が省けるのはメリット」
2021年から運用が始まったマイナ保険証。
2日から本格移行されましたが、道内の利用率はというと、2025年10月時点で34パーセントほどにとどまっています。
全国保険医団体連合会の調査によると、8月以降にマイナ保険証の資格確認を巡るトラブルがあったと回答した医療機関は、およそ7割(69.8パーセント)に上っています。
市民にとってもこの仕組みはまだ定着しているとはいえないようです。
(函館市民)「春ごろに登録して活用しています。基本マイナ保険証を使っていて、コンビニで書類をもらうこともできるので、一括しているので便利」
(札幌市民)「知らなかったです。マイナ保険証ない。インフルエンザが流行っているので、なるべく早く紐づけようと思います」
マイナ保険証の疑問について専門家に聞きました。
『従来の健康保険証はもう使えない?』
(ファイナンシャルプランナー 加藤桂子さん)「いま特例として従来の健康保険証を3月末まで使えることになっていますので、すぐ使えないということではない。国の措置として切り替わっていくので、早めに慣れていくのがいいかなと思います」
『マイナ保険証が医療機関で読み取りできない場合は?』
(ファイナンシャルプランナー 加藤桂子さん)「その時々で読み取りできない場合もあると思う。資格情報のお知らせということで皆さんの手元に今の健康保険の情報が届いている。読み取れなかったらそれを見せていただくという方法でもいいと思います」
本格的に始まったマイナ保険証への移行。
不安の払しょくといかに周知を進めるかが課題です。