幼いころから生活の中にあった石狩沼田駅「おつかれさまと言いたい」116年の歴史に幕 JR留萌線
JR深川駅と沼田町の石狩沼田駅を結ぶJR留萌線。
終着の石狩沼田駅では地元の住民が横断幕を掲げて列車の到着を出迎えました。
(呼び込み)「到着記念証にミニうちわはいかがでしょうか」
駅前には留萌線のグッズを販売するテントが設置され、訪れた鉄道ファンなどが買い求めていました。
その中で長い列ができていたのが、地元の飲食店が作った駅弁です。
この駅弁を作ったのが、沼田町で生まれ育った店の2代目・山田昌希さんです。
特別な思いでこの日を迎えました。
(山田昌希さん)「困りますよね基本的にやはり。子どもたちの通学や病院や普段の通勤の方とかに、バスの代替えもしますがやっぱり列車は大事なものだと思います」
山田さんにはJRで旭川の高校に3年間通った双子の娘がいます。
毎朝6時すぎの始発列車で1時間かけて学校へ通っていたということです。
そんな娘も21歳になり、いまでは店を手伝っています。
(二女・千愛さん)「高校3年間ずっと留萌線で通学して、さっき姉と姉の子どもと乗りに行ったのですが、思い出してさみしいなという感じ」
留萌線の思い出がたっぷりと詰まった山田さん一家特製の駅弁。
鉄道ファンの心にも染みたようです。
(東京から来た鉄道ファン)「うまそう。コメはもうほんとにつやがありうまい。なくなっちゃうのでやっぱりさみしいということもあります」
(山田昌希さん)「いままであったものが無くなるということ。歴史に幕を閉じるというのもあるし。昔沼田にいた方が来ていたんです。そういう人達の思い、本当は僕らが沼田町を守ってそういう人たちが来られるようなマチにしなきゃいけないと思っていたので、そんなことも残念な気がします」
かつて、ニシンなどの海産物や石炭を運ぶ貨物路線としてにぎわった留萌線。
20年ほど前にはドラマや映画の撮影に使われ、SLの観光列車を目当てにたくさんの観光客が訪れました。
1910年に開業した留萌線は利用者の減少などから、2016年に留萌ー増毛間、2023年には沼田町の石狩沼田ー留萌間と段階的に廃止され、そしてついに深川ー石狩沼田間の廃止で留萌線は廃線となります。
石狩沼田駅には多くの鉄道ファンなどが訪れ、列車を写真におさめたり記念グッズを手に取ったりして廃線を惜しんでいました。
そんな駅舎の様子をそっと見守る男性が・・・
石狩沼田駅の目の前で酒店を営む3代目の小泉清彦さんです。
幼い時からこの石狩沼田駅が生活の中にあったということです。
(小泉清彦さん)「お疲れ様でしたとひとこと言いたいですね。本当に長い間、この厳しい地方によく走っていただいて。生活の杖でしたね」
留萌線は31日午後9時11分、石狩沼田発ー深川行きの最終列車で116年の歴史に幕をおろします。