「短すぎる」遺族納得できず…大学院生死亡の飲酒事故 男に懲役5年6か月求刑 背景に法律の壁
北海道小樽市で発生した飲酒運転の死亡事故での裁判で、危険運転致死の罪に問われている男に対し、検察は懲役5年6か月を求刑しました。
遺族からは「短すぎる」との声もあがっていますが、なぜこの求刑になったのでしょうか。
危険運転致死の罪に問われているのは、大沢亮汰被告34歳です。
大沢被告は2024年9月、小樽市の国道で、アルコールの影響で運転操作が困難な状態に陥り、対向車と衝突して大学院生の田中友規さんを死亡させたとされています。
(大沢被告)「お酒が残っているのを分かっていながら『大丈夫だろう』と思って運転しました」
初公判でこう話した大沢被告。
12時間以上にわたって20杯程度の酒を飲んでいたことが明らかになっています。
検察は「長時間にわたり大量の飲酒をした直後に運転している」と指摘。
「飲酒運転の危険性を認識していない」として懲役5年6か月を求刑しました。
一方、弁護側は今後、ハンドルを握らないことを誓っているとして情状酌量を求めています。
検察の求刑に対し、田中友規さんの両親はー
(田中さんの両親)「短すぎるというのが率直な思いです。飲酒運転を軽く考える人が出てくるかもしれません。遺族としては非常に残念です」
遺族が納得できていない求刑。
背景には法律の壁がありました。
この事故は、正常な運転が「困難」ではなく、正常な運転に支障が生じる恐れがあったと判断され、危険運転致死罪の中でもより法定刑の軽い第3条で起訴されています。
専門家は制度の限界だと指摘します。
(中村浩士弁護士)「第3条は法定刑自体が軽く規定されていますので、求刑も判決も第2条の危険運転致死罪と比べて軽くなる傾向があります。事故に至るまでがまともな走行に見えると、なかなか第2条での起訴が難しいと、こういう限界があります。法制度の枠組み自体に大きな欠陥があるのかなと感じます」
飲酒運転の責任の重さを司法はどのように判断するのか。
判決は7月29日に言い渡されます。
