「ライダーキック」と叫びながら飛び蹴り 被害者に根性焼きも…当時18歳少年に懲役20年求刑
北海道江別市で2024年、男子大学生が男女6人から集団暴行をうけ死亡した事件の裁判員裁判で、2026年6月11日、滝沢海裕被告(当時18)の審理が結審し、検察は懲役20年を求刑しました。
強盗致死などの罪に問われているのは、川村葉音被告(21)と滝沢海裕被告(当時18)、少年(当時16)のあわせて3人です。
起訴状などによりますと3人は2024年10月、江別市の公園で長谷知哉さん(当時20)と交際していた八木原亜麻被告らと共謀し、長谷さんに暴行を加えて死亡させた上、現金やカードを奪うなどしたとされています。
3人はいずれも起訴内容を認めていて、札幌地裁は3人に対し「強盗致死罪が成立する」との判断を示し、分離して審理が進められていました。
裁判の最大の争点は量刑で、滝沢被告の裁判では6月11日、被告人質問や論告・弁論などが実施されました。
【検察から滝沢被告への質問】
■根性焼きについて
Q.根性焼きのこと、捕まった当初から話してた?
A.途中から話しました
Q.どうして最初言わなかった?
A.軽く見せたかったってのもありましたし、捕まるまで僕ひとりしか(根性焼きを)していないと思っていたので隠したかったです
Q.遺体に(根性焼き)跡が残っていると思わなかったの?
A.思わなかったです
■自首について
Q.俺ってそんなに悪いかなと話していたが、自首したとき逮捕されると想定はしていた?
A.逮捕はされると思っていました
Q.自首になったのは6人の中で、滝沢被告だけだが?
A.警察署に行ったからです、警察から言われたのはそのとき知らなかったのは滝沢くんだけと
Q.警察は滝沢の名前を把握していなかったということ?
A.たぶん八木原(被告)が僕の名前を知らなかったからだと思います
Q.自首したことはいま思うと、正しいことだと思う?
A.めっちゃ正しいと思います
■八木原被告が自首した後のグループライン
Q.八木原被告の家を燃やすという趣旨のラインはなぜ送った?
A.そういうつもりじゃないけど、八木原(被告)は暴力を振るっていないから捕まらないと思ってムカついて
Q.ラインでも家燃やすなど、どんどんエスカレートしていったが?
A.だめなことだと思います
Q.反省の気持ちがなかったということ?
A.このときはなかったと思います
■強盗致死罪について
Q.強盗致死罪が重い罪だと分かっている?
A.はい
Q.どんな刑が科されると思っている?
A.死刑か無期懲役だと思っています
【弁護側から滝沢被告への質問】
■滝沢被告がした暴力について
Q.ライダーキックなど、なぜ暴力してしまった?
A.川口くんに言われたからです、「タッキーもやって」と言われて暴力やらなきゃいけないんだなと思ってやりました(※川口被告とは、事件の主犯格とされる川口侑斗被告のこと)
【裁判員から滝沢被告への質問】
■特性について
Q.あなた自身、特性があると認識したのはいつ?
A.捕まってからです
Q.両親からは特性について全く話がなかった?
A.病院は行ったことがあるけど、なんで病院に行っているのかわからなかったです
Q.あなたの特性が本件の原因だと思う?
A.あんまり思わないです
Q.自分の意思で行ったということ?
A.はい、そう思います
【裁判官から滝沢被告への質問】
■犯行に対する思いについて
Q.6人での犯行だが、だれが1番悪いと思う?
A.みんな悪いと思います
Q.みんな同じくらい悪いということ?
A.はい
【論告】
検察は滝沢被告が他の共犯者による暴行を促進したと指摘。犯行における責任は十分重いと主張しました。
・暴行や根性焼きを行ったうえ、ふざけた口調で「ライダーキック」と叫びながら飛び蹴りを加え、他の共犯者の嘲笑を誘った
・滝沢被告が「クレジットカードを持っているか」と尋ね始めたことにより、他の共犯者がカードなどを奪うことを決意した形跡あり
・自ら考えて暴行・脅迫に及んだ
一方で、滝沢被告が終始犯行を主導したとは認められないことや、加えた暴行が他の共犯者より劣ること、当時18歳であったことなどを考慮し、「懲役20年」を求刑しました。
【弁論】
弁護側は、被告人の責任は共犯者らと同列に評価できず、個別具体的な役割に応じた量刑判断が必要と主張しました。
・当初から金品奪取を目的として計画された典型的な強盗致死事件ではなく、被害者と関係者との交際トラブルを発端として暴行が先行し、その後金銭要求に発展した
・利欲目的の程度は典型的な強盗致死事件より弱い
・暴行の開始や拡大、継続の判断、金銭要求の開始などはいずれも川口被告らが主導。滝沢被告はそれらの流れを作った立場ではない
・暴行はライダーキック2回、首元への足蹴り1回、根性焼きとされる行為に限られる
・滝沢被告の暴行は、被害者の死亡結果と直結するようなものではない
・他人の言動に左右される未熟さがあった
弁護側は「懲役15年」が妥当だと訴えました。
【滝沢被告の最終陳述】
(滝沢被告)「被害者にはこの先生きれたはずの幸せな日々があったなか、助けを呼ばず、命を奪ってしまったこと、本当に申し訳ございませんでした」「被害者の家族には、僕の勝手な行動で、会うこともできなくなってしまったし、この先も苦しい思いを一生させてしまったこと、本当に申し訳ございませんでした」
滝沢被告の裁判は結審し、判決は川村被告らとともに6月25日に言い渡されます。