過去10年で漁獲数最低に 生筋子が価格高騰 安く提供しようと店も工夫 秋の味覚が大ピンチ!北海道
秋サケの漁獲数が過去10年で最低となり、生筋子の価格も高騰しています。
水産加工会社からは「もうサケだけでは食べていけない」と悲鳴が上がっています。
鍋いっぱいに作られた北海道の秋の味覚・サケ鍋です。
(観光客)「とてもおいしいです」
日高のえりも町で開催された「海と山の幸フェスティバル」です。
生きたサケをいけすから手づかみでとる催しも!
自分でつかんだサケに参加者からは笑顔があふれました。
一方、困りごともー
イベントの目玉は自分で作るイクラ丼ですが、2025年はイクラの価格は100円の値上げとなりました。
(えりも漁業協同組合女性部連絡協議会 川崎尚子さん)「去年のような価格で提供したかったんですけれど、ことしはイクラだけで600円にさせていただきました。正直獲れないからです」
実は2025年はサケの漁獲数に異変が起きています。
海水温の上昇などで漁獲数は減少傾向が続き、道が公表した速報によると、9月末時点での秋サケの漁獲数は過去10年間で最も低い317万匹あまりとなりました。
その影響はスーパーを直撃しています。
(石田記者)「こちらのスーパーでは生筋子が1382円で売られています。隣にはこれでも安いのよと書かれています」
売られていた生の筋子は100グラム1300円超え。
2024年のおよそ2倍です。
店にとっては初の1000円超えだといいますが、旬の味覚を求め多くの人が手にとっていました。
(吉本水産 東城哲也チーフ店長)「市場やばいことになってた。100グラム2000円超えてた。こわいっ!」
(生筋子を購入した人)「(値段は)なかなかですけど、他のところよりは安いので。お店をやっているので店のイクラ丼とかに使います」
(生筋子を購入した人)「高いです。子どもたちが好きなのであっという間になくなります」
店ではサケをさばく手間をかけて筋子を確保し、少しでも安く提供しようと工夫しています。
(吉本水産 東城哲也チーフ店長)「数が少ないので集まらない。本当はもっと何倍も山のようにサケがあって、それをどんどん腹割いて売っているものなので、普段から見たらだいぶ少なくて困っている感じ」
えりも町でイクラを生産する水産加工会社でも6日、久しぶりに筋子を仕入れることができました。
しかし、その量はおよそ30キロ。
イクラに加工する作業はわずか20分ほどで終わってしまいました。
今シーズンのイクラの生産量は例年の10分の1ほどに激減したといいます。
(マルデン 伝法貴司さん)「全道的に全然ないという状態です。全然だめです。もうサケだけでは食べていけません」
いまはブリを加工するなどしてしのぐしかありません。
道民の秋の食卓を彩る秋サケやイクラ。
漁獲数の記録的な減少で消費者や加工会社から悲鳴が上がっています。