町議が経営する農業法人で外国人虐待「首を絞めて、叩いて…」新たな“証言”次々と 北海道京極町
外国人労働者への暴行などが問題となっている、北海道京極町の農業法人。
私たちは新たに保護された外国の人たちや、過去に問題の法人で働いていた日本人からも証言を得ました。
さらに浮き彫りになる暴力の実態。
その影響や懸念が、澱のように影を落としています。
現職の京極町議が暴行 外国人労働者たちを番号で呼び…
(動画)「わからんかコノヤロー!ちょっと来い。来いってだから、教えてやるから」
全道に衝撃を与えた映像。
被害にあったのは、京極町の農業法人で働くミャンマー国籍の外国人。
目を疑う暴行の主は、この法人の実質的な経営者。
それが「現職の京極町議」と聞いて、衝撃はより一層強いものに。
(動画)「日本のご主人さまは誰だ!11番、14番、誰だ」
番号で呼ばれ、金属製の棒で殴られ、けがもー
男性のひとりは警察に告訴状を提出。
9月、彼らを保護した札幌地域労組などが「お別れ会」を開催。
(札幌市地域労働組合 鈴木一顧問)「今回の経験はつらい経験ではあったけど、日本人のなかにも助けてくれる人がいると分かってもらってよかった」
京極町で暴力を受けていたミャンマー国籍の6人のうち、女性3人が道外に引っ越すことに。
せめてもの「お別れ宴」。
(ミャンマー国籍の女性)「会社の社長からつらい扱いをうけ、ここに来てからみなさん本当の子どものように温かく大切にしていただきました。言葉では伝えきれないほど感謝しています」
祖国・ミャンマーを離れ、夢いっぱいでやってきたはずの北海道を離れることに…
(動画)「来いってだから、教えてやるから」
団体交渉で町議による暴行を一部認めた法人側。
しかし、疑惑の町議は姿を見せていません。
10月に入っても、問題の農業法人から、新たにミャンマー国籍の3人が保護されました。
STVのカメラの前で赤裸々に語った、さらに驚くべき実態とはー
「胸を押して首をしめてそのあと叩いた」「奴隷のように扱われた」
(新たに保護 ミャンマー国籍の女性)「私たち2人は(町議に)お尻を叩かれたことがある。(ミャンマー国籍の男性を)殴るのを見たことがある。(町議が男性の)胸を押して首をしめてそのあと叩いた。私たちの前で。その時私はとても怖かった」
さらに、問題の町議が発した驚きの指示。
ミャンマー国籍の男性に「電気柵を触れ」。
(新たに保護 ミャンマー国籍の女性)「電気がつくかつかないか知りたいと触らせた。電気がつきました、バチって。奴隷のように扱われた。日本は安全なところで日本人は優しいと思った。でも全然違う」
(音声)「ふざけんなよコノヤロー!ミャンマー帰れよ」
さらにSTVは、問題の農業法人で5年前にアルバイトで働いた日本人男性にも行き当たりました。
(男性)「外国人がとにかく目をつけられているような感じ。日本人のいない場所では恫喝が聞こえたりとかはしていましたね。外国人が怯えているような感じ」
(男性)「(町議の息子が女性の)腰とか下あたりを触っているなというのは見たことがある」
この農業法人のような1号特定技能外国人の「受け入れ機関」には、外国人の生活を支援する10項目の義務があります。
その中には「相談や苦情への対応」もー
(移住連 鳥井一平共同代表理事)「ざるですよね」
強い言葉で制度自体の不備を指摘する専門家もいます。
(移住連 鳥井一平共同代表理事)「一般的にもセクハラやパワハラ、そういった問題がある時に通報制度というのをやっていますよね。上司が通報制度の窓口だったら誰が相談しますか?外国人労働者がどこにでも外部に相談できるように、日本における法的な権利を(外国人労働者が)使えるような道筋をつくる必要がある。そのために特定技能制度の改善をしていく必要がある」
今回のケースも、農業法人から受けた暴力の相談を、その農業法人にするのは難しいだろう…ということです。
外国人労働者を受け入れる農家は…「応募する外国人も減る可能性…懸念している」
空知の長沼町。
長ネギ農家・三木田農場では、10年前から外国人労働者を受け入れています。
インドネシアやベトナムから来た30人近くの外国人が働いています。
社長の三木田佑介さんは、今回の虐待問題に眉を顰め、影響を懸念しています。
(三木田農場 三木田佑介社長)「(京極の問題について)経営者の方がエゴで怒ったりとかすることはちょっと違うんじゃないかなと思います。とにかくいま人手不足で、若い人とかもあまり農業に来てくれない状況の中、日本はこういう劣悪な環境で働かされるというのはすごくイメージが悪いので、応募する外国人もどんどん減る可能性があるから、それはすごい懸念していますね」
三木田農場で働くイザ・リン・ニサさん25歳。
インドネシアからやってきました。
周りには常に笑顔。
「ニサ」と呼ばれ、農場の人気者です。
(三木田農場 金子岳史さん)「いつも日本人やほかの国の人とコミュニケーションとったりして、すごくいい子」
(イザ・リン・ニサさん)「初めて日本に来た時はまじで全然話せなかった。言葉がわからないときは、これこれ(ジェスチャー)で分かりましたと。日本の文化とか仕事のやり方を教えてもらいました」
この日、三木田さん一家とニサさんたちは、年に一度のお楽しみへ!
空知の一大秋のイベント「栗山祭り」です!
(三木田農場 三木田佑介社長)「日本で働くには日本の文化も学んでほしいし、日本ってこんなに楽しいとわかってもらって、自分の国の友達にも話してまた日本に来てもらえればと思う」
もはや北海道の基幹産業には欠かせない外国人の労働力。
長ネギ農家の三木田さんも強く思っていることがあります。
(三木田農場 三木田佑介社長)「制度面が厳しくなっているが、逆にいいこと。やはりしっかりした会社がちゃんと受け入れるということで、こういうこと(京極町の虐待)があったら受け入れられないというのはちゃんとはっきりさせた方がいい。制度はもっと厳しくなっていいと僕は思う」
労使対等、外国人であれ日本人であれ、同じ「人間」。
目指すべきは「誰もが安心して働ける北海道」。
