牧やすまさ路地裏のスピリッツ

戻らない、戻さない 再犯防止を目指して

第8回 更生保護法人札幌大化院 施設長 佐々木孝一さん

2019年11月19日(火)

佐々木さん「イメージとしては、塀の中と社会をつなぐ『橋』の役割かと思います」

このコーナーでは毎週、社会復帰や更生を目指す刑務所出所者を支える方たちにご出演いただき、それぞれが抱える問題や地域全体で支えていくことの重要性をお話いただきます。
  • 佐々木さん
●「更生保護法人 札幌大化院」とは、どのような施設でしょうか?
→ 更生保護法人とは、更生保護施設と申しまして、刑務所や少年院を出た人や、執行猶予や猶予起訴処分となって釈放になった人のうち、頼るべき人がいないなど帰るべきところがない方に対して、宿泊場所や食事を提供する施設を運営する 民間の団体です。
  創立者は、現在の市電の前身となる運搬会社を経営していた 実業家夫妻です。大正元年、自宅の裏の家に刑余者(けいよしゃ:刑罰を受けたことがある人)を住まわせて、更生保護事業を始めたのがきっかけで、以後、100年以上にわたり、札幌市内で更生保護施設の運営を続けています。

●佐々木さんは、施設長として、どのようなお仕事をされていますか?
→ イメージとしましては、塀の中と社会をつなぐ「橋」の役割かと思います。
 刑務所や少年院を出た後 帰るべきところがない人が保護観察所に相談に行き、更生保護施設への入所を希望した場合、保護観察所の依頼に基づき 引き取ることになります。入所した人には、宿泊場所や食事の提供はもとより、協力雇用主の紹介やハローワーク支援にあたっています。定員は男性30名で、1年365日、昼夜 生活相談にあたっている職員とともに、集団生活を送っています。
  また、「生活環境調整」といいまして、刑務所や少年院に出向いて、私どもの施設に帰ってくることを希望している方たちと面接し、身元を引き受けられるかどうかを判断します。引き受けることとなった人は、その後の所内での成績がよい場合、仮釈放になるチャンスがあります。つまり、私どもの施設が仮釈放者の生活の受け皿となるわけですが、統計などによりますと、仮釈放者のほうが満期釈放者よりも再入所率が20パーセント以上も低いと言われておりますので、そういった意味で再犯防止に寄与していると考えています。
  • 佐々木さん2
●社会復帰・更生を目指す方たちを拒む 壁 は何だとお考えですか?
→ 再犯の防止などの推進に関する法律ができ、刑務所入所中からの就労支援が始まるなど再犯防止に対する意識は高まって来ていると思いますが、それでもまだ、罪を犯した人は怖い人だとか社会から排除するべきだという偏見が根深いのではと思います。
 最近、受刑者や保釈中の人が逃走したという報道が繰り返されていることなども、その傾向に拍車をかけているのでは と考えています。


●社会復帰・更生を目指す方たちを支えるために、私たちが出来ることは何ですか?
→ 先ほど、更生保護施設を「橋」にたとえましたが、罪を犯した人を川の石になぞらえますと、上流ではごつごつとしていた石も、裁判や矯正教育を経て、
 下流の更生保護に来ることは 角が取れた丸い石になっています。一番下流にある更生保護施設では 人は変われるということを信じ、「海」という地域社会に返すべく 立ち直り支援を行っています。それぞれの立場で、人は変われる、立ち直れる ということを少しでもご理解いただければありがたく存じます。
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