ラッパー、トラックメイカー、プロデューサーのD.Lさん。DEV LARGEという名前でも活動していた時期もありました。ジャンルはHIP HOP。今回の名言「普通じゃダメなんだよ」は潔くて好き。この言葉は直接聞いたのではなく、RHYMESTERの宇多丸さんがD.Lさんとのエピソードトークをしているのをラジオで聞きました。

宇多丸さん曰く「普通じゃダメなんだよ」「普通じゃつまんないんだ」とよく言っていたそう。

ある文化が生まれて、それがどうやらいいものだと認められてくるとそれ自体がより分かりやすくなって更に広まっていく…これが成熟していくのはいいことだけど過程で大事な部分、真ん中の部分がなくなってしまうという事も多々ある。

HIP HOPが生まれて広まって時間がたつと色んな事が普通になっていった。

こういう感じのラップ、トラック、こうするとウケるな…とだいたいこんな感じだよねという定型が出来てくる。でもいわゆる普通になった普通をOKしちゃうと自分自身がなくなっちゃう。D.Lさんはそれはダメだと言ったんだと思う。

頭の中で鳴ってる音とかイメージを取り出して形にして勝負する。最初の違和感が瞬時に感動に変わっていく。何これ…でもすごくかっこいいとなっていく。

これがエンターテイメントを知っている人の言葉。

実際D.Lさんは、アルバムのトラックメイキング、アートやリリースの形にまでこだわる人だったと知り合いのデザイナーが言っていました。説明できないとか伝えられないかっこよさってあると思うんです。脳内経由せず胸の奥に瞬間的に突き刺さって体が震えるみたいな何か。簡単に普通にならないもの、そういうものを信じている。大事にしたいと思います。

Ｍ「人間発電所」（BUDDAH BRAND）