これは今年日本で開催されたラグビーW杯
日本代表が初戦のロシア代表との試合に勝った後の記者会見で
ラグビー日本代表田村優選手が言った言葉です。
「緊張して死ぬかと思った」

僕はスポーツニュースをテレビを見ていて聞いたんですけど、
この言葉がなんかグッときたんです。
田村選手は普段すごく強気な人なんですよ。
物怖じしないし、ポーカーフェイスだし。
ラグビーのプレイだけじゃなく人とのコミュニケーションでも
自分のスタイルを崩さないそんな人に見えるんです。
そんな田村選手がおそらく自分のラグビー人生の中で
今まで味わった事のない緊張感、プレッシャーが
このロシア戦にはあったと思うんですね。
日本で開催されるW杯ってのはまず大きいし、
なおかつ初戦、予選グループの中で唯一勝ちが見込めるロシアが相手。
逆に言えば負けたらその後がそうとう苦しくなるって事ですよね。
そこに向けて4年前から練習してきたわけですから
これはもう絶対に負けられない戦いというやつです。
で、その緊張感。
そしてロシアに勝ってその緊張を突破して出たのがこの言葉。
「緊張して死ぬかと思った」なんですよね。

この言葉のセレクトは普通の人だったら冗談の言葉だと思うんですよ。
記者会見の場でちょっと場をなごますみたいな言葉。
ジョークですよ。
「緊張して死ぬかと思った」ってよくよく考えると
大人はなかなか本気で言わない言葉だと思うんですよね。
でも田村選手にはその冗談、ジョークのニュアンスは感じられなかったんですよ。
本当の気持ちをそのまま素直に吐き出した言葉。
心からの言葉。
すごく真摯な言葉に聞こえたんです。
なおかつこの言葉を公の場で言うことで田村選手がもう失うものは何もないっていう
無敵な精神状態に入ったことの宣言のようにも感じたんですよね。
田村選手自体が一段階強くなったそんな風に感じたんですよ。
尚且つこれは普段田村選手が言わなさそうな言葉ですから
少なからずまわりの選手にも影響したんじゃないかなと思うんです。
「田村そこまで緊張したんだ」
「じゃあこっからもっとバリバリいっちゃうじゃん！やれるじゃん！」っていうね。
なんかそんな強気な言葉にみんな感じ取ったんじゃないかなと思うんですよね。
だからこの言葉を僕も聞いた時に
「あっ日本代表これ行くんじゃないか予選突破しちゃうんじゃないか」
ってちょっと思ったりしたんです。

その後の大躍進は皆さんご存じの通り。
本当にラグビーW杯の素晴らしい試合をたくさんテレビで見れてよかったなと思いました。

もしかしたら田村選手だけじゃなく日本代表にもスイッチが入った
そんな言葉だったのかもしれません。

Ｍ「Have A Nice Day!」（SCOOBIE DO）