Dr.トーコのラジオ診療室

番組紹介

 医療法人社団H・N・メディックの院長、遠藤陶子先生に、健康にまつわる話、
特にご専門の腎臓の病気や透析療法について分かりやすくお話いただく番組です。

ご質問やご相談をお待ちしています。
周りの人には相談しづらいことも、ラジオなら大丈夫です。
お名前も、ラジオネームで大丈夫ですので、番組までお気軽にお寄せ下さい。

  • ロゴ
「新さっぽろ」は 厚別区厚別中央5条6丁目、
「北広島」は 北広島市共栄町5丁目、
「さっぽろ東」は 東区北19条東7丁目にあります。

■診療時間
月・水・金曜が 午前9時から午後9時まで、
火・木曜が 午前9時から午後4時まで、
土曜が 午前9時から午後12時までです。

※初診は随時受け付けております

<H・N・メディックURL>
https://www.hnmedic.jp/

プロフィール

  • 遠藤陶子先生
遠藤陶子先生
医療法人社団H・N・メディック 理事長・院長
医学博士

過去の放送はラジオクラウドでお聴きいただけます!

こちらをクリックでダウンロードサイトへ移動します。

9月13日「恒常性を考えよう」

2020年9月13日(日)

9月13日「恒常性を考えよう」

  • 陶子先生、山本さん
陶:人間に限らず、生物のひとつの「ありかた」として「恒常性」という言葉があります。この「恒常性」っていうのが基本的な生き物のありかたなんですよ、もしくは世界の法則といってもいいかもしれないんですよ、じゃあその恒常性ってなんだろう?という話を今日はしていきたいと思っています。
山:恒常性・・漢字で書くと、「コウ」という字はりっしんべんにわたる(亘る)の「恒」、「コウ」とも「ツネ」とも読みますね。そして「ジョウ」は常識の常、「セイ」は性別の性ですね。・・先生、これ、「コウ」も「ジョウ」もどちらも単体で「ツネ」と読む漢字なんですね!!
陶:ツネ、ツネ、セイ!どれだけツネなんだ!?ってね。
山:ツネにツネなるサガ、ってことですもんね…
陶:文字通り、「つねなる」性質をあらわす言葉なんですが、山本さん。…ぶれずに生きるって難しいですよね…
山:…あら?どうしたんですか先生、誰かに振り回されていらっしゃるとか、そういうお悩みとか…
陶:あはは、そんなことはないんですけど!我々人間に限らず、生きているものすべて、「自分」がありますよね。そして「自分以外」があるわけです。「己」と「環境」。
山:これまた、哲学的な話になって参りましたね。
陶:環境にかかわらず、自分を保つというのは、難しいです。ということを言いたかったんですよ。
山:所変われば品変わる、朱に交われば赤くなる、ということわざもありますね。
陶:でも、それこそが自分を保つ処世術だったりもするわけですね。実は、こういった処世術、体内でも起こっているんですよ。
山:体内でも、ですか?まったくイメージがつきません。
陶:自分を保つこと、って実は健康そのものですよね。恒常性っていうのは健康を保つためにとっても大切なキーワードなんです。そこをきょうは解説していこうとおもいます。
山:お願いします!
陶:生き物って、昨日とおなじ今日、そして変わらぬ明日、というように、常に同じ様子で進んでいきたいという「意思のようなもの」を持っているんです。自覚しているかいないかに関わらず。その基本線がある。
山:確かに。細かくみると違うかもしれませんが、朝起きて寝るまでの生活リズム、というように「同じ」というのがなにか当たり前、基本にある気がします。
陶:それは、そうしたほうが「楽」だからなんです。「健康的だ」とも言い換えられるかもしれません。
山:確かに、自分に定めたリズムに乗って過ごすほうがストレスがないかもしれませんね。
陶:それは、人間が(というか万物が)変化に弱いからなんです。
山:人間のことで言うと、波乱万丈の人生もカッコいいですけれど、かわらない日常にこそ幸せを感じますよね。あ!「日常」って言いましたけど、恒常性の「常」って漢字ですね!
陶:そう!気づきました?言葉にも顕れてますね。変化に弱いということは、守りたい何かがあるわけですね。何を守りたいか。それは、自分の体、あるいは主体となるものにほかならないわけですが、その自分の体さえも常に動いているわけで。方丈記の始まりには、「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとに水にあらず。」とありますね。
山:こういった文学にも、医学に通ずるヒントが隠されているわけですか…
陶:そう思いますよ。やはり先人は自然をしっかり観察していますよね。自然界と自分をかえりみるということで、神羅万象への考察は深まるんじゃないかって思います。…ということを私たちは藤女子中学・高校(遠藤と山本の出身校)で習ったかと思います(笑)!
山:そうでしたね、ありがたい教育でした。
陶:鴨長明さんは「川は常に、絶えることなく流れ続けているけれど、今ここにあったはずの水はもう先に流れていっている」と、つまり常に変化し続けていると仰っているわけですが、話をもとに戻すと、この川にあたるのが体だとします。そうすると、川の本体であるところの水は体の中身であるということになりますね。体の中身のことを医学的には「内部環境」といい、皮膚一枚外側の、自分をかこむ世界のことを「外部環境」といったりします。うちとそと、というわけです。内部環境も、外部環境も常に変化し続けているからこそ、定常状態、いまの状態を保つためには人体は常にその変化に対応し続けなければならない、っていうことなんです。
山:これ、でも無意識に生きていますけれど、そんな大変なことを体さんは毎日こなしていてくれるんですね。お疲れさま、ありがとう、ですね。
陶:だいぶ「恒常性」のイメージつかめてきたんじゃないですか?
山:はい、だいぶ!…でも、体さんは気づかないところで働いて、色々保ってくれている、というイメージはわかったんですが、それがどう「健康」と結びつくのかが今ひとつわからないです。
陶:大丈夫です。その話をこれからしていきます!この「定常状態に保つようにできている、そしてその維持には結構な労力が必要だ」という前提、これがとっても大事なので、理解して頂きたかった。そうしないとカラダさんの凄さが分からないと思ったんですよね。
山:では、その実際の働きを教えてください。どうやったら健康をキープできるのかが知りたいです!
陶:結果からいうと、極端なことをしない。昨日と同じ今日、変わらぬ明日。これさきほども出てきたフレーズですけども、これを過ごすことに尽きるんですよね。私、外来診療でよく患者さんに「リズム良く生活できてますか?」って聞いたりするんですけれど。リズム良く生活するということは、川の流れを澱ませないという意味においてとても重要です。
山:変わらぬ日常を愛するっていう心は、間違ってなかったんですね!
陶:体の中で起こっている細かなことはたくさんあるのですが、現状を知らないと対策が立てられないです。なので、まず内部環境や外部環境を見る目、センサーが必要ですよね。これが「神経」です。
山:「神経」は目、見張り台に立ってくれている役目、ということですね。
陶:しかもその結果どうしたらいいのかということをカラダの中枢に報告して、それを受けて物理的に体を動かす筋肉さんに指令を出すのも神経なんですよね。次に、実働部隊として調節に走る役目を持ったものの代表が「ホルモン」です。
山:よく「ホルモンバランス」、なんて言葉を聞きますが、まさにバランスを取ることが本来の役目ということですね。
陶:そうです。皆さんが良く気にされる血糖の調整もその一つですね。インスリンは膵臓から出るホルモンの一種です。ホルモンで血糖が上がりすぎないようにしているわけですね。
山:ホルモンが「常」を保ってくれている、と。
陶:そのとおりです。あとは免疫。外敵から身を守るのが免疫の仕事なのですが、その基本は「自分と他者を見分ける機構」なんです。武器を作ったはいいけど自爆したら大変じゃないですか。だから、自分を攻撃することのないようなシステムを作っている、ということなんですよ。
山:防御もぬかりなし!というところで、神経、ホルモン、免疫の3本の矢、ですね。
陶:これらは「代表的な選手」であって、もっともっと細かいことは「臓器」単位で動いていて、もちろん臓器同士の間で連携もしています。最後に数ある臓器を代表して少し腎臓の話をしましょう。腎臓という臓器はとりわけ、この「恒常性」を保つ上で重要な役割を果たしていると言われています。具体的には、電解質バランスの調整だったり、酸塩基平衡、が大枠にあたります。言葉で言うととてもシンプルなのですが、これは相当高度な機構で保たれているんです。「フィードバック」や「緩衝」などという言葉で表現されますが、何かが行きすぎたらそれを抑止するような機構も備わっているようなイメージです。
山:以前腎臓は7つの仕事をしてくれているというお話がありましたが、これは、行き過ぎたら暴走しないようにしてくれている、という役目もあるんですね。
陶:親が子供を叱りすぎたら、おじいちゃんおばあちゃんが出てきて親を叱る、みたいなね。行き過ぎを予見して、あらかじめ対策してあるんです。
山:おじいちゃんおばあちゃんがフォローしてくれて…それで子供は救われるっていうこと、ありますよね〜
陶:家族というのも人間社会の恒常性を保つ一つの機構かもしれませんね。ここまでお話したことをまとめると、「体とは、毎日の内部環境、外部環境の振り幅に合わせた、相当懐の深い、柔軟な対応をしている」と言えるんです。
山:なるほど、だからこそできるだけ揺さぶりをかけないように「規則正しい生活を送りましょう」というわけですね!
陶:そのとおりです。恒常性を意識して、できるだけ極端な環境に体をさらさないようにすることがとても大事と言えますよ。

番組情報

放送時間

毎週日曜

9:00〜9:15

番組へのメッセージ・ご質問

メール:

ファックス:011-202-7290

お便り: 〒060-8705
札幌市中央区北1条西8丁目

STVラジオ Dr.トーコのラジオ診療室

放送内容

STVラジオをradiko.jpで聴く
data-ad-format="auto" data-full-width-responsive="true">