LIVE HOUSE タムラジオ

第58回“DoYou名言集”

2020年2月21日(金)

「のむらかんとく やきゅうをだいすきにさせてくれて ありがとうございました」byツバ九郎

先日、野球評論家の野村克也さんがお亡くなりになりました。
その時にヤクルトスワローズマスコットのツバ九郎が
自分のブログに書き記した追悼の言葉です。

野村克也さんというより、野村監督と言ったほうがしっくりくるかもしれません。

野球を愛し野球に愛された男、野村監督。

お亡くなりになった後に本当にたくさんの言葉、
エピソードが色々な人の口から語られて、
そのどれもがその人だけの物語で野球の為だけじゃなくて、
それに関わる人のために心を尽くした人なんだなと思いました。

その中でこのツバ九郎の
「のむらかんとく やきゅうをだいすきにさせてくれて ありがとうございました。」
という言葉は、本当に野村監督に関わった人だけじゃなく
全野球ファンの想い、実感を端的に表した言葉だと思います。

僕も野球が好きで小さい頃からプロ野球が好きでした。

出会ったのは4~5歳くらい。
当時はテレビ中継が毎日のようにやっていたんですよ。
だからそれを見て好きになったんじゃないのかなと思うんですけど、
僕はジャイアンツのファンで中畑選手のファンでした。

団地住まいだったんで、団地の子供たち仲間と野球をやったり
みんなでプロ野球カードを集めたり、
あとプロ野球名鑑という図鑑を11人暗記するまで読み込んだりしていました。
見るのもやるのも好きでした。

で、そんな幼き日に野村監督を知ったんです。

プロ野球中継の中で解説をやっていました。
解説者って日替わりで本当にたくさんの人がいたんですけど、
野村監督が解説をやる時っていうのは僕の中で当たり回でした。

「あっ!今日野村監督の解説だ、やったー!」って言うね。

なんでかって言うと野村監督の解説の時だけ
野球スコープというものを使った特殊な解説が聞けたんですよ。
テレビの野球中継ってピッチャーの後ろからバッターが構えている所までを撮りますよね。
そのバッターのストライクゾーンに9個のマス目を登場させるんです。
で、そのマス目を使って初球はストレートとか最後はここに落ちる球を投げたほうがいいとか
このバッターは内角のゾーンが危ないとか、キャッチャー目線の解説をするんですよ。
野球用語で言う「配球」ってやつですね。
もしかしたら今はもうテレビ中継ではスタンダードで
当たり前になっているかもしれないんですけど。

当時これをやっていたのは野村監督の解説だけで、
これは子供にもすごくわかりやすかった。
しかもそれまでは打った走った投げた取ったとかその結果だけに注目して見守っていたのが、
どう打ちとるかとかどう打つのかみたいな
その野球の勝負の過程にも興味が出てくるんですよね。
その野村スコープを見ていると野球通になった気分も味わえちゃったりしてね、
すごく楽しい解説だったんです。

僕は選手がプレイする姿とか強いチームを見て
野球が好きになっていったんだと思うんですけど、
そっから先、更に大好きになっていったのは
野村監督のこういう解説、この野村スコープだけじゃなくて
本当に色々と選手の心理とかそういう所まで深く踏み込んだ解説が
1つ大好きになったきっかけとしてあると思うんですよ。
結局、野球も小学生から高校生までやっていたからね。
たいしてうまくもない僕がそこまでやっていたのは、
こういう解説で大好きになったっていうことだと思います。
野球を好きになる。
イチロー選手とか松井選手とか今なら大谷選手とかダルビッシュ選手とかかな。
素晴らしいいプレイヤーのスーパープレイを見て憧れて
野球が好きになっていくことは多いだろうと思うんですけど、
野村監督がそこからさらに深い部分を本当に色々教えてくれて
大好きにさせてくれたんじゃないかと、
そんな経験をした人が日本の野球ファンの中には
たくさんいるんじゃないかなと思いました。


というわけで僕からも言わせてください。

「のむらかんとく やきゅうをだいすきにさせてくれて ありがとうございました。」

 
M「イキガイ」(SCOOBIE DO

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